辛酸さんだけでなく、現代の日本人は股関節周りの筋肉を使えていない人が多い、と白木さんは指摘する。
「生活が便利で快適になって、昔の日本人の日常動作だったしゃがむ機会も減り、股関節の柔軟性がなくなっています。腰割りとセットで、股関節周りの筋肉をほぐすとさらに効果的です」
たとえば、姿勢を維持するために働くインナーマッスルの腸腰筋は、骨盤の傾きを調整する役割がある。
「長時間のデスクワークなどで動かずにいると、腸腰筋は硬くなってしまいます。こうしたふだんサボっている筋肉に刺激を与えるため、やってほしいのが股関節体操です。椅子の背に手を添えて片方の脚を前後に動かすだけでいいんです」
早速、辛酸さんもやってみることに。
「椅子を使うのでやりやすいです。体がふらつかなければ椅子なしでもOKと聞いて、試しに椅子から手を放してみたら、ぐらついちゃいました」