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スーパーフード・ビーツの甘酢漬けで作る、冷たいボルシチやラム肉の肉じゃが。

体の中から抗酸化力を高めたければ、なんといってもビーツに注目。家庭の定番料理にもアレンジ自在、活用レシピを紹介します。
  • 撮影・津留崎徹花 文・板倉みきこ

土臭さが抜け、 うまみとコクが増す万能調味料に。

まず作っておくと便利なのが、茹でたビーツを甘酢に漬けたもの。

「ロシアでは皮付きの丸のまま1時間近く茹でます。茹でると、大切な栄養素が色素と共に出てしまうことを心配してのことだと思いますが、小さく切って茹でても大丈夫。茹で汁に色素が流れ出ても茹で続けると、柔らかくなるころには色素が戻って元の色になるし、時間も半分ほどですみますよ」

ビーツの甘酢漬け

1.しっかり洗ったビーツは、皮付きのままさいの目に切る。
2.鍋にビーツを入れ、かぶるくらいの水を注いで火にかける。
3.弱めの中火で茹でていくと、次第に茹で汁に色が抜け出る。
4.30分ほど茹で、ビーツが茹で汁を吸い戻したら火を止める。

【材料】
ビーツ1個(300g前後)
甘酢[酢2:水2:砂糖1〜2 塩少々]

【作り方】
ビーツをさいの目切りにし、鍋に入れる。全体がかぶる量の水を加え、汁がなくなるまで30分ほど弱めの中火で煮る。瓶などに移し、甘酢を注ぐ。冷蔵庫で2週間ほど保存可。

冷たいボルシチ

鮮やかな色の美しさも楽しめる、夏バテ解消に最適のスープ。

【材料(2〜3人分)】
ビーツの甘酢漬け1/2カップ(汁含めて)
きゅうり(みじん切り)大さじ2
玉ねぎ(みじん切り)大さじ2
ディル(みじん切り)大さじ1
塩、胡椒、砂糖、酢各少々
自家製サワークリーム[プレーンヨーグルト、生クリーム各1/2カップ]
水1/2カップ

【作り方】
1.ボウルにヨーグルトと生クリームを入れてよく混ぜ合わせ、自家製サワークリームを作る。ビーツの甘酢漬けを加え混ぜ、水も加えて混ぜる。調味料で味を調える。
2.1を器に盛り、上にきゅうり、玉ねぎ、ディルを飾る。冷蔵庫で3~4日保存可能。

ビーツとじゃがいもの重ね蒸し

タジン鍋料理をアレンジした、家庭的なラム肉の"肉じゃが"。

【材料(2〜3人分)】
ビーツの甘酢漬け1/4カップ
ラム薄切り肉200g
じゃがいも1個(薄切り)
玉ねぎ1/2個(薄切り)
トマト1個(薄切り)
ハーブ少々
油大さじ3
塩小さじ1
胡椒少々
水1/2カップ

【作り方】
1.鍋にハーブ以外の材料を入れ、蓋をして弱めの中火で10~15分煮る。
2.
1を皿に盛り、上にハーブをのせる。

ビーツミルク

甘酢漬けの漬け汁に牛乳を注げば、胃腸の調子が整う健康飲料に。

ビーツのうれしい健康効果

■ベタシアニン(ポリフェノール)
 ー 抗酸化、アンチエイジング

■カリウム
 ー 高血圧予防、むくみ解消

■鉄
 ー 貧血改善、疲労解消

■硝酸イオン
 ー 血流改善、冷え性予防

■天然のオリゴ糖
 ー  腸内環境の改善、コレステロールの抑制

■そのほかにもいろいろ(ビタミン、食物繊維豊富)

その栄養価の高さから“奇跡の野菜” “食べる血液”などと称されるビーツ。最近ではスーパーでも見かけるようになったが、調理法はボルシチくらいしか浮かばず、なかなか日々の食卓に応用しづらい印象も。

「ロシア料理のイメージが強い野菜ですが、私はこれまで、ヨーロッパや中東、インド、メキシコなど、世界中で家庭的なおいしいビーツ料理に出合いました。茹でてサラダに、煮込み料理やジャムなど、レパートリーは豊富。ビーツ料理を研究して食べ続けていたら、血流がよくなったり、体が軽くなるのを感じたほどです」(料理研究家・荻野恭子さん)

ビーツの最大の特徴は鮮やかな深紅色。

「この色が抗酸化作用の強さの証し。ただ、日々の食事には色が気になるかしら、とも思いましたが、作ってみたら問題なし。肉じゃがやカレーなど、毎日のお惣菜に使ってもいけますし、加熱することでオリゴ糖の甘みが出て、料理の味に丸みやコクがプラスされます」

オリゴ糖は腸内環境の改善を期待できる栄養成分。砂糖やみりんなどの調味料を少なくしても味が決まるので、かえってヘルシーというわけだ。とはいえ、ビーツ独特の土っぽい味わいを敬遠してしまう人も多いはず。

「日々おいしく、手軽に食べられるよう考案したのが、ビーツの甘酢漬けです。加熱でコクや甘みが増し、土っぽさが抜けて扱いやすくなります」

最近は値段も手ごろになってきたし、日本の食卓にも合うレシピもいろいろ。ビーツの健康効果を実感してほしい。

カブや大根と似ているが、ほうれん草と同じヒユ科に属するビーツ。6〜7月と11〜12月に旬を迎える。
「色艶がよく、皮が薄いものがおすすめです」(荻野さん)。たわしなどで皮をよく洗ってから使おう。
荻野恭子

荻野恭子 さん (おぎの・きょうこ)

料理研究家、栄養士

これまで世界65カ国以上を訪れて現地の家庭料理を習い、食文化を研究。『ビーツ、私のふだん料理』(扶桑社)ほか、著書多数。

『クロワッサン』1047号より

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