高杉真宙さんが語る、ドラマ『今夜、秘密のキッチンで』──本番で自分を信じられるくらいには、できることを頑張りたい
撮影・天日恵美子 文・望月リサ
気づいたら好きになっていた。こんなふうに言うとありふれた恋愛小説みたいだけれど、強烈な個性を押し出すことなく作品の世界に馴染んでいるのに、回を重ねるうちに妙に気になる存在へと変わっている。高杉真宙さんは、まさにそんな俳優だ。
その高杉さんが出演中のドラマ『今夜、秘密のキッチンで』で演じているのは月夜に主人公・あゆみ(木南晴夏)の元に現れる謎の料理人・Kei。夫のモラハラに苦しむあゆみに寄り添い、料理で心を解きほぐす役柄で、じわじわ視聴者の心に浸透中。
「じつはKei自身は、事故で昏睡状態に陥っていて、その霊があゆみさんの元に現れていたんです。昏睡状態から目が覚めて、あゆみさんとの記憶がない中で、ここからふたりがどうやって関係性を積み上げていくのかに注目してほしいと思います」
Keiは、料理に対して真摯なストイックなキャラクターで、「物事をフラットに考えられる人」。
「余計なことをせず、あゆみさんと料理を一緒に作る時間が楽しい、という思いを大事に。できるだけシンプルでいるよう意識していました」
高杉さん自身もまた、誠実でストイックと評されることが多い。
「ストイックかはわかりませんが本番で自分を信じられるくらいには、できることを頑張ろうとは思っています。考えられることは家で考えてきて、現場に入った時に、それを思う存分出せるようにする。違うと言われたら、変えていけばいいことだから」
近年、「観る側の人にも意識を向けられるようになった」という。
「観ようと前のめりになっている方に届かないのは、演じる側の問題だと思っています。自分がどんなに演じていて楽しかったとしても、本来伝えるべきことが伝わらなければ意味がない。そこへの配慮も必要じゃないかと」
真面目な人だが、ドラマで共演中の木南さんからは、「じつは笑いを取りにいきたいタイプ」との言葉も。
「幼少期にバラエティとかお笑い番組をあまり観てこなかったので、大人になってから、世の中に面白いことがこんなにあるんだと知って、笑いに目が向くようになりました。笑ってもらえるのは伝わったからなわけで、それがうれしい。ただ、自分は面白いことが全然浮かばないので、面白い方を見るたび羨ましいなと思っています」
『クロワッサン』1166号より
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