柿トーストの黒ごまハニー【井澤由美子さんの薬膳レシピ】
撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子
【ごま】老化防止、パワー増強。 肝と腎を養う元祖スーパーフード。
生命力の強い黒ごまは、冬に弱りやすい腎を養う食材。ポリフェノールや食物繊維に富み、油分を多く含むので、アンチエイジングとパワー不足を補ってくれる。ビタミンCたっぷりの柿には咳を止め、体を潤す効果が。
「柿は寒性の食べ物ですが、加熱するとその特性が緩和されます」(井澤さん)。滋養たっぷりの黒ごまハニーをじんわり焼いた柿にのせ、熱々を召し上がれ。
柿トーストの黒ごまハニー
【材料】
柿(あれば種なし)2個
黒ねりごま 大さじ1
蜂蜜 大さじ1〜2
【作り方】
1.黒ねりごまと蜂蜜を合わせて、ごまペーストを作る。
2.柿はヘタを切り、切った面を下にして、フライパンで弱めの中火で10分ほど焼く。焼き上がりの目安は皮が縮んでうっすら水分がにじみ出るくらい。
3.焼き上がった柿を皿にのせ、十字に切り目を入れ、ごまペーストをのせる。
薬膳の知恵を、美味しく食べる。
中医学の考えでは、食物には体を冷やすものと温めるものがある。今の季節に摂りたいのは温性・熱性の食材だ。
「そして特に女性には、巡りのよい体のために『肝腎かなめ』を心がけてほしいなと思います。五臓のうちの肝と腎をケアする必要があるということ」
と、料理家で国際中医薬膳師、国際中医師の井澤由美子さん。
「肝は体の巡りを司ります。肝を養うと血流がスムーズになる。逆に弱ると自律神経に不調が出て、イライラや不安などの原因に。肝によい食べ物はニラ、春菊、ターメリック、人参、あさり、今ならゆずもいいですね」
そして腎は、体を温めるヒーターの役割をする。ここが弱ると老化が早まり、腰痛や白髪を引き起こす。
「腎をいたわるのは黒い食べ物。黒ごまや海藻類を積極的に摂りましょう」
『クロワッサン』1059号より