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毎朝の「何食べる?」から解放。私たちは何年も固定メニューです!――バレリーナ・雑賀淑子さんの朝ごはん

朝食を固定化すれば、得られるメリットはたくさん! 93歳となった今も現役バレリーナとして活躍する雑賀淑子さんに、変えない理由のある定番朝ごはんを聞きました。

撮影・市原慶子 文・長谷川未緒

毎朝の「何食べる?」から解放。私たちは何年も固定メニューです!――バレリーナ・雑賀淑子さんの朝ごはん
雑賀淑子(さいが・としこ)さん バレリーナ。小牧正英バレエ学校に学び、小牧バレエ団員として活躍。パリ留学を経て、サイガバレエ研究所を設立し、活動中
雑賀淑子(さいが・としこ)さん バレリーナ。小牧正英バレエ学校に学び、小牧バレエ団員として活躍。パリ留学を経て、サイガバレエ研究所を設立し、活動中

20歳、パリで知ったクロワッサンが、今も毎日の楽しみです

93歳の雑賀淑子さんは、戦時中だった9歳のときにバレエを始め、今も踊り続けている現役バレリーナだ。クロワッサンが朝食になったのは、20歳のとき、パリ留学中のこと。

「私のお部屋の大家さんは、クチュリエ(仕立て屋)をしていたマダム・ミネッティというおばあさんだったの。タクシードライバーだったご主人を亡くし、部屋が余っているからと貸してくれたのね。留学中は、昼間はバレエのレッスンをして、夜はオペラやお芝居、音楽会など、ありとあらゆるものを勉強のために観に行っていたから、晩ごはんを作る気力もない。それで角砂糖をなめて水を飲んで寝ていたら、マダム・ミネッティが朝ごはんくらいちゃんと食べなさい、と用意してくれるようになったんです」

それがクロワッサンふたつと、紅茶だった。マダムのやさしさがありがたかったし、外側のパリッとした食感と、内側の豊かなバターの香りは初めてのおいしさで、大好物になった。

2年後に帰国。今でこそ、ベーカリーが街にあふれ、クロワッサンも簡単に手に入るが、70年以上前の日本には、あまりなかった。

「東京・青山のベーカリーでクロワッサンを売っているのを見つけて、それをわざわざ買いに行っていました。懐かしくてね、けっこうおいしかったのよ。パリではマダムが淹れてくれた紅茶でしたけれど、帰国後は、やっぱりパリで大好きになったカフェオレを合わせています。それからヨーグルトとフルーツ、たまに目玉焼きをつけることもありますね」

雑賀さんの住まいがあるエリアはパン屋がたくさんあるため、あちこちで買うのも楽しみ。また、移動販売車で焼きたてのパンを販売している「エッセン」のクロワッサンを買いに行き、仲良くなったお店の人とおしゃべりをするのもルーティンになっている。70年以上、クロワッサンを食べ続け、飽きないのか聞いてみると……。

「飽きないのよ。毎朝、わぁおいしい、と思いながらいただいています。私はバレエも84年続けているでしょ。生まれつき飽きないタチなのね。ずっと2個ずつ食べていたけれど、年齢を重ねていっぺんにたくさん食べられなくなって、今はひとつになりました」

クロワッサンを食べながら、その日の予定を整理したり、バレエの振り付けを考えたり。6月にはファッションショーに出演する予定もある。死ぬまで朝食にはクロワッサンを食べ続けたいから、“ピンピンコロリ”がいいとも。

「具合が悪くなって入院したり、老人ホームに入ったりしたときに、クロワッサンしか食べません、とは言えないじゃない(笑)。母は私が8歳のときに亡くなりましたが、父は103歳まで生きたの。そこまで長生きしたいとは思わないけれど、まだやりたいことがあるんです。スタイルに自信がなくてもバレエが好きでひたむきに練習している人たちのために、新しい振り付けを考えてから、天国へ出発したいわね」

タレント・松本伊代さんの定番朝ごはんはこちらからご覧いただけます。

『クロワッサン』1164号より

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