からだ

慢性的な腰痛やゆがみも解消!座って、立って、骨盤を整える。

  • 文・黒澤 彩 イラストレーション・ウラモトユウコ

骨盤の位置を正すことで、骨格の並びも整います。

「そもそも、どうして骨盤がズレていると腰痛になるのでしょう?」とウラモトさん。中村さんによれば、それは、骨盤が骨格の並びの基礎になっているから。

「骨盤から頭まで積み上げられている脊椎は一つひとつが関節でつながっていて、周囲のさまざまな筋肉に支えられています。この骨格の並びをアライメントといいます。正しいアライメントとは、すべての関節の中心に体重が乗っている状態のことです」(中村さん)

骨盤が前後に倒れていると骨、関節、筋肉のバランスが崩れ、一部の筋肉だけが無理に引っ張られることに。それが腰などの痛みや疲労感になる。

「痛みのある部分の筋肉や関節だけに問題があるのではなくて、アライメントが崩れていることがさまざまな不調につながります。人間の上半身は、大まかに言うと、頭部、胸部、骨盤の、3つの大きなボールがつながっているイメージ。骨盤が安定していないと、上のボールもぐらぐらしてしまいます。頭は5〜6kgの重さがあるので、それを支える骨盤と背骨が関節の中心を軸につながっていなければ、どこかに歪みが出るのです」

座り方と同じように、立っているときにも自分でいい姿勢を見つけてアライメントを整えることができる。3つのボールが同じ軸上にくるよう意識しながら、胸部のボールを丸く膨らませるイメージで何度か深呼吸を。いちばん無理なく、たっぷりと息を吸うことのできる姿勢が、いいアライメント。さて、ウラモトさんのアライメントは?

立った状態と寝姿勢をチェックしていこう。

スムーズに深く呼吸できる姿勢を探るには?

以前、背中が反っていると指摘されたことがあるというウラモトさん。

「骨盤が正しいポジションにないと、お腹が突き出て、背中が反ってしまうんです。ウラモトさんは上半身に力が入りやすいようですね。肩の力を抜いて、深呼吸してみましょう」(中村さん)

その呼吸の仕方にも、ちょっとしたコツがあるのだという。

「深く息を吸おうとすると、左右の肋骨の間が開きすぎて、背中側が縮んでしまいがち。体を丸く膨らませます」

繰り返しながら、頭をゆらゆら。骨盤から頭までがまっすぐになり、疲れない姿勢を見つけていく。左右の足に均等に体重が乗っているかも意識する。

「深呼吸するたびに、少しずつ体幹が安定してきました」(ウラモトさん)

仰向けに寝て、アライメントを セルフチェックしてみよう。

腕と脚を軽く開き、体の力を抜いて仰向けに。手のひらは上に向ける。正しいアライメントなら、頭は鼻根部の後ろが床につき、首の後ろにカーブ状の隙間ができる。肩から胸椎までぴったりと床についていて、おへその裏のあたりに小さな隙間ができる。骨盤まわりは左右のお尻が均等に床についているかを意識。太ももからふくらはぎ、かかとまで床にぴったりつけると、足のつま先は左右対称に天井の角(外側)を向くはず。

「お尻の仙骨が突き刺さっているように感じるとしたら、骨盤が倒れているということ。背中が大きくカーブして浮くのもよくない姿勢です」(中村さん)

骨盤のズレだけではなく、全身の左右のバランスを確かめるのにも寝姿勢でのチェックがおすすめ。

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