からだ

慢性的な腰痛やゆがみも解消!座って、立って、骨盤を整える。

  • 文・黒澤 彩 イラストレーション・ウラモトユウコ

どうしても骨盤が倒れてしまう、そんな場合は?

骨盤を立てて姿勢をよくしようとすると、むしろ疲れてしまって、長くキープできないという人も多いのでは? 

それは、骨盤が倒れた状態にすっかり慣れてしまっているという危険なサイン。

「本来なら、正しい姿勢こそがいちばん楽な姿勢なんです。でも、骨盤がズレている状態でずっと生活してきた人にとっては、そのほうが体を使いやすいと感じてしまうのです」(中村さん)

骨盤の歪みは、仙腸関節痛、脊椎の側湾症といった習慣性の不調の原因にもなるのだが、自分ではアライメントが崩れていることに気づきにくく、痛みがひどくなって初めて自覚するケースも。

正しい姿勢を学んだウラモトさんも、

「この姿勢をずっと続けるのは、まだちょっとつらいかもしれません」と話す。

長年かけて定着してしまった体の癖は、一朝一夕には直らないもの。日常の座り方、立ち方に気をつけるのはもちろんのこと、骨盤まわりの筋肉に働きかけるストレッチにも取り組みたい。

「骨盤まわりについている筋肉も年齢とともに硬くなります。あまりにも筋力がないと、骨盤を立てて正しい姿勢をとること自体ができない場合も。ハムストリングス、腸腰筋など、骨盤から下肢にかけてのストレッチをすることで、骨盤を立てやすくなりますよ」(中村さん)

ウラモトさんのように長時間デスクワークをする人も、座ったままできるストレッチなら取り入れやすい。

「姿勢を正し、筋トレも地道に続けて、骨盤がまっすぐ立った腰痛知らずの体になってみせます!」(ウラモトさん)

姿勢をキープする 持久力UP! ローカル筋を鍛える。

ローカル筋は、脊椎に直接つながる上半身の筋肉。「この筋肉をきちんと使えると、骨盤を立てた姿勢をキープしやすくなります」

①骨盤を立てた正しい姿勢で椅子に座り、左右の手を太ももに置く。

②上体はまっすぐのまま手をひざに向かってすべらせ、腕がピンと伸びたところで止める。

③息を吸って吐きながら手で太ももを下に押し、太ももとお尻の筋肉を反発するように押し上げる。そのままキープし5回呼吸をする。

腰痛予防に効果あり。座ってできるストレッチ。

「腰痛を防ぐには、股関節まわりの筋肉をほぐすことが大切」。座りながらのストレッチならデスクワークの合間にも取り入れやすい。

①骨盤を立てて椅子に座り、右の足首を左ひざの上にのせる。右手は右ひざに添え、左手はひざにのせた足のつま先をつかむ。

②右手でひざを押しながら左手で足首を反らせてキープし、5回呼吸する。

③左右の足を入れ替えて、各1回行う。腰が痛む場合は無理をしないこと。

座り姿勢でかたまった股関節を、気持ちよく伸ばす。

座っている時間が長い人ほど、骨盤まわりの内転筋群が短く、硬くなりやすいという。「デスクワーク中は、できれば1時間に一度は立って歩いたり、体を伸ばしたりするといいですよ」

忙しいときも3時間に一度は立ち上がって、股関節まわりやお尻の筋肉をしっかりと伸ばすストレッチを。

①脚を前後に大きく開く(無理なく股関節が伸びる程度に)。前の脚のひざを曲げ、後ろに引いた脚の付け根を伸ばすように体を落とす。キープして3回呼吸をする。

②左右の脚を入れ替え、各1〜2回行う。

『クロワッサン』1006号より

1 2 3
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間