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四季の絵柄はがきに、気持ちを乗せて送る。

季節が移ろうたびに、訪れたい場所。それは、銀座の鳩居堂。お目当ては、「シルク絵柄はがき」です。一体、どういうものなのか、そしてどのような使い道があるのか…今回は、その愉しみをお伝えしたいと思います。

 

鳩居堂のシルク絵柄はがき。

創業350年を超す、伝統和雑貨専門店「鳩居堂(きゅうきょどう)」。店内に一歩足を踏み入れると、お香の懐かしいかおり漂う雅な空間が広がっています。便箋、金封、扇子、千代紙、書画用品…魅惑的な小物に囲まれると、胸が昂まります。その中でも、四季折々に少しずつ、買い集めては御福分けもしたいものが「シルク絵柄はがき」です。

椿、菜の花、夜桜、月、苺に薔薇、西瓜に金魚、、200種類以上の日本の細やかな四季の草花・風物の絵柄が、大胆に構図で、色彩豊かに描かれています。「シルクスクリーン印刷」という手法で刷られたはがきは、色の重なりや立体感が緻密で、ずっと眺めていたい…そんな魅力をもった製品です。そして、浮世絵の余白の美しさを参考に、あくまで「文字」が引き立つように構図されている、その心意気も、グッとそそられます。価格は70円〜120円。プチプラなところも嬉しく、季節の証しを、気軽なお買い物で遺す愉しみがあるのです。

写真は、初夏6月〜7月の図柄。「余白の美」に、どんな言葉を埋めてゆくのか...考える愉しみ。

写真は、初夏6月〜7月の図柄。「余白の美」に、どんな言葉を埋めてゆくのか…考える愉しみ。

 

Post-itや万年筆と組み合わせて、一工夫。

絵柄はがきは、額に入れて観賞用とするほかに、お礼状やお返事として人に差し上げる…これも大切な用途です。その際、私は、現代の文房具や機器と組み合わせる工夫をしています。

ひとつは「Post-it」。事務机の周りやPCにペタペタと大活躍している事務用品の代表格。これを一緒に使うと、自分のメッセージを絵柄はがきに載せつつも、場合によっては剥がして、受取主がお好きな使い方を、次に愉しむことができます。(人の目を気にすることなく)オフィスマットに挟んで観賞したり、(季節を感じる喜びをリレーして)他の方へのメッセージカードとして御福リサイクルしたり。一粒で二度おいしい笑。いつもはマジメな用品も、たまにはこういう季節の彩りと取り合わせてもいいのかもしれません。

Post-itメッセージは、スマホでスキャンしてデータ保存もできる。万年筆は、スケルトンtypeだとインクの色を透かして賞でることができる。

Post-itメッセージは、スマホでスキャンしてデータ保存もできる。万年筆は、スケルトンtypeだとインクの色を透かして賞でることができる。

もうひとつは、万年筆。実は私、自分の字が子どもっぽくって好きではないのです。なので、メッセージはタイピングしてお渡ししがち。100%印刷だと、それも味気ないので、印刷をコラージュした脇に、宛名と署名は手書きするようにしています。その際、活躍するのが万年筆。「LAMYのsafari」を使っています。下手字でも万年筆で書くと途端、らしく見えてくる?のでアラ不思議…。しかも、万年筆のインクの色って、黒や青だけではなく、さまざまな色、例えば「紫」なんかもあるのですよ。私が今回選んだのは「ターコイズ」。秋の竜胆(りんどう)絵柄、との相性の良さに、感激しています。

職場の方々へのお礼はがき。秋の草花・収穫物の、思い出と共に。

職場の方々へのお礼はがき。秋の草花・収穫物の、思い出と共に。

 

送る人のコトを想う、言葉選び。

そして、絵柄はがきに、どんな言葉を書くのか、載せるのか。これは、本当に難しく同時に愉しい一仕事です。送る人のコトを想いながら、今の自分のどんな気持ちをお伝えしたいのか。重苦しくなくサラリと、しかしながら親しみを込めて、お送りしたいものです。

そんな時、私が参考にしているのは、その名もズバリ「鳩居堂のはがき花暦」という本。生活評論家の「吉沢久子氏」が、御自身の97年間の人生の中で醸成なさった「優しく、思いやりに溢れ、粋で美味しそうな言葉」を、文例として紹介くださっています。一枚のはがきに添えられる言葉は、だいたい150文字。シンプルなものは、なんと30文字!自分では、考えが及ばない言葉選び、そして図柄との組み合わせ…勉強になります。

『鳩居堂のはがき花暦』小学館。読みながら触りながら「アナログ文化の良さ」を、じっくり味わうことができる。

『鳩居堂のはがき花暦』小学館。読みながら触りながら「アナログ文化の良さ」を、じっくり味わうことができる。

結びに。普段から、はがきや手紙を送る習慣を心がけるようになったら、あることができるようになった気がします。それは、人とコミュニケーションをした際に、目の前にいる方の会話やしぐさから、その方の今の興味や喜びや悲しみが、くっきりはっきりと見え、留まっていく頻度が増えたことです。自分の心に貯めたそんなエッセンスを、必要な時に必要な方に、季節の彩りとともに、うまくフィードバックできるようになったらイイなぁと思っています。

鳩居堂
http://www.kyukyodo.co.jp

LAMY
http://www.lamy.jp/ink-refills.html 

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