僕も"引きこもり"だった時期、KEIKOさんに負けず劣らず潔癖症で、コロコロが手放せない生活を送っておりました。
更に、何か行動を起こす際、やっておかなければ気が済まない……そんな儀式、"ルーティン"をいくつも抱えていました。
勉強する前には、部屋の掃除だけでなく、鉛筆や定規などの文房具、目覚まし時計、壁に掛かった絵等々、とにかくありとあらゆるものを乾いた布で磨き上げなければならない、とか。
人気のない深夜の時間帯、たまにジョギングをしたりするのですが、飛行機雲や船の航跡のように、自分の足跡がアスファルトの道路にくっきりと残っている気がして仕方がない。
足跡がまっすぐでないと我慢ならないので、ランニングフォームが限りなく競歩っぽくなる、とか。
今思えば、強迫神経症の類だったのでしょう。
ある時から、ルーティンの全てを、「こぶしに"フッ!"と息を吹きかける」という一つの行為に集約することに成功しました。
なので、今は自分の手のひらに全てを封じ込んでいるような状態。
いつ爆発するか分かりません。
僕の右手は、まさに"パンドラの箱"です。
以前対談した、精神科医の斎藤環氏によれば、自力である種の"置換療法"を編み出し、克服した……僕のようなケースは非常にレアで、結局は、専門家に相談したほうが良いそうです。
念のため。
ちなみに、今でも神経質というか、整理整頓された環境で生きていたい、綺麗好きだという面はしぶとく残っています。
僕とは対照的に、妻はいい意味で気にしないタイプ。
ズボラです。
食器を洗う際も、「皿溶けるで⁉️」というくらいつけ置きします。
最初のうちは嫌だなぁ、と思っていましたが、今は「自分の机の周りだけ片付いていればよし!」と妥協できるようになった。
妻が"ゆるい人間"で良かったのかもしれません。
僕は「とりあえず」という言葉をすごく大事にしています。
KEIKOさんはおそらく真面目な人。
一つ一つの自分の中の決め事、囚われている行為をし終えないと、その先が出来ない。
やっても意味がない……そんな感じでしょうか。
色々あるけど、不完全だけども、それはさておき「とりあえず」動いてみようと心掛けるのは良いかもしれません。