くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】クレーマー気質の母親に手を焼いています。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は業者さんにキツくあたる老親に悩む娘からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>

もともと怒りっぽい性格だった母親が、年を取るにつれてその性格を先鋭化させ、世に言う「クレーマー」になってきたようで、手を焼いています。
私は独身で子どももなく、母親はたった一人の肉親でもあり、大事にしたいと思うのですが、客観的に見ても落ち度のない業者さんに(ねずみ駆除、内装工事、電気屋さん等)対して、「仕事が雑だ」とか「料金が高すぎる」とかいちいち文句を言って、ごねています。
最近は業者さんを呼びつけるクレームの場に「おまえも来て一緒に闘ってくれ」というようになり、面倒臭さが増してきました。
「私は業者さんが悪いとか知らないから味方になれないし、そういうことはしたくない」と拒絶すると、「おまえは母親を助ける気がないのか!」と逆上。
老人になったら、なるべく感じよく生きていたほうがいいよ、愛されるおばあちゃんになってよ、と言っても、当然ですが聞く耳を持ちません。
一人暮らしで寂しく、周囲にかまってほしい気持ちの表れかもしれませんが、こんな母、どう付き合っていけばいいでしょうか…。
(ゆーとぴあ /女性/独身子なし、一人っ子の40代会社員)

山田ルイ53世さんの回答

うちの親父がまさにそう。
僕が小学生の頃、家を生け垣で囲おうと業者に頼んだのですが、盛大に揉めていました。
大した根拠もないのに相手を信用せず、皆がおれに損をさせようとしている……もはや、被害妄想の類です。

まあ確かに、ねずみ駆除やシロアリ退治などはトラブルが多い印象があるし、振り込め詐欺を筆頭に老人が騙される案件も後を絶たない。
ワイドショーでもそういうニュースが定期的に取り上げられている。
ゆーとぴあさんのお母さんが身構えてしまうのも無理はありません。
そういう人は、おそらく作業や契約の内容をよく理解していない。
既に試したかもしれませんが、一度料金体系や相場を調べて教えてあげれば、少しはマシになる気もします。

ただ、絶望的なまでに、他者の意見を聞き入れない人っていうのは一定数いる。
自分の親だから情もある。
心配かもしれませんが、結局は別個の人間です。
なので、あなたが親のことで責任を感じる必要は全くありません。

放っておけないのであれば、"半笑いで眺める"のが良いでしょう。
母親との日々を、コミックエッセイにしてみる、ツイッターで呟く、ユーチューブで配信する……そんな距離感。
"ネタ化"するのは精神衛生上、非常に有益です。

個人的には、一度お母さんに乗っかって、業者と闘って欲しい。
面白そうなので。
「悪徳業者に親子で立ち向かってみた!」……必ずチャンネル登録します。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
⇒ 公式ブログ

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