【実践編】自分の顔パターンを知って、きれいになる「重心メイク」とは？

レイナ　試合中は怖くていいと思います（笑）。愛さんの場合は、TVの仕事も多いので、落ち着きの中にもやわらかな印象がほしいですよね。

杉山　海外の選手の中には、試合中、目力を強くするために、思いっきりアイラインを強くひいてくる人も。それでいて、パーティのときは、華やかなメイクをしてくる。自在にメイクで自分を演出していますね。

レイナ　愛さんは、ふだんはどんなメイクをしていますか？

杉山　講演のときなどは、あえてアイラインを強めに入れたり、口紅をしっかりつけたりしますが、ほとんどノーメイクですね。子どもがまだ小さいので、ゆっくり鏡を見ている時間がなくて。眉をちょちょっと描いて、ささっと口紅をつけるくらいかしら。

レイナ　そのとき、今ある眉の形のまま描いてないですか？　口紅も、唇の形のまま色をのせていませんか？

杉山　はい。それではダメ？

レイナ　皆さん、そうなんです。でも、それだと印象は変わらない。変わらないどころか、かえってメイクで損してしまうんです。たとえば、私の場合。愛さんと逆で、目が外重心なんですね。親しみやすい顔の反面、間が抜けて見えてしまうんです。だから、眉は、眉頭はやや内側にきちんと描いて、アイシャドウも目頭にも入れるようにすると、親しみやすいというプラスの印象はそのままで、マイナスの印象が和らぐんです。

杉山　なるほど！　では、私の場合は、上重心で内重心だから、下方向と外方向にメイクすればいいわけですね？

レイナ　そのとおり。眉頭はぎゅっと描かないで、ふんわり薄い色をのせるくらい。そして、眉を外のほうに伸ばして、描き足すのは、眉の上じゃなく、下のほうに足してみましょう。

杉山　あ～!　これだけでやさしい印象になりますね！　実は私、「かわいい」って言われるのに、密かに憧れておりまして（笑）。

レイナ　かわいさって、目から下の長さが短いと感じるものなんです。赤ちゃんの顔なども、下重心でタテの長さが短いですよね？　ですから、愛さんの場合は、目の下にもアイシャドウを入れて、マスカラも必ず下睫毛にもつけるといいですよ。

杉山　すごく理論的で、すっと受け入れられます。今まで、漠然とメイクをしていたことに気づきました。

レイナ　そう。自分の顔がどういう印象を与えているかを知って、その上でどんな自分でありたいのか、自分の個性をどう考えているのか、がメイクの大事な要素なんです。

杉山　どこが違っているのか、はっきりわからないけれど、「何か今日きれい」とか「何かいいことあった？」と言われるような、そんなメイクですね。

レイナ　「かわいい」を目指したとしても、自分のキャラクターからどんどん離れてしまってはダメなんです。

杉山　たしかに、イタイだけ。やりすぎは避けたいけれど、かといって、ノーメイクももうやめようと思っているんです。最近、友人と会ったとき、「あれ、疲れている？」と心配されてしまったんです。全然疲れていなかったのだけれど、あ、メイクは自分だけのためだけじゃない、と気づきましたね。

レイナ　眉とチークと口紅だけでも、毎日したほうがいいと私は思っているんです。ちょっとのことで自分が元気でいられれば、それは周囲の人たちのためにもなりますものね。

杉山　明日から、毎日がんばります！ では、具体的にどうするか、一つひとつ教えてください。