自分のペースで服や小物作りを楽しみながら、仲間の作品が刺激に──フリースタイルレッスンの魅力
撮影・太田太朗 文・恒木綾子
自分が作りたいものを、自分のペースで
スワニーの手づくり教室
日本全国から手芸ファンが集まる老舗の生地専門店『鎌倉スワニー』が主催する洋裁教室。今回訪れたのは、2つあるコースのうち、スワニーオリジナルデザインの中から自分の好きなものを選んで作れる“フリースタイルレッスン”だ。
“教室”と聞くと、みんなが同じものを同じペースで作るスタイルを想像するが、こちらの特色はなんといっても、自分が作りたいものを自分のペースで作れるという自由度の高さ。入会金やカリキュラムがなく、行きたいときにその都度予約するシステムなので、1コマ(2時間半)で完成するシンプルな小物を選ぶ人もいれば、4コマかけて凝ったデザインのワンピースを作る人もいるそう。
そして特筆すべきは、作れるアイテムのパターンの豊富さ。カットソー、ブラウス、パンツ、スカート、子ども服、バッグ、小物など、その数なんと1,000種類以上。さらに、生地も店舗にある4,000種類以上の中から自由に選べるので、何回通っても、何点作っても、決して飽きることがない。30年以上、通い続けている人がいるというのも、都心から電車で1時間ほどの距離にありながら、東京や埼玉からも足繁く通う人がいるというのも納得できる。
レッスンが行われているのは、店舗から徒歩1分ほどの距離にある静かな平屋の一軒家。裁ち鋏やチャコペンといった基本的な裁縫道具は人数分用意されているため、持ち込むのは作りたいデザインに必要な分の生地、その生地に合った色のミシン糸、ボタンなどの付属品のみ。前述のとおり、デザインや生地の数が膨大なので、別日にあらかじめ選んでおくのがおすすめだという。
参加者同士のほどよい距離感が心地いい
開始時刻になると、講師の挨拶と懐かしいチャイムの音とともにレッスンがスタート。この日の参加者はほぼ全員、顔馴染みとのことだったが、型紙をトレースする人、生地を裁断する人、ミシンで縫い合わせる人、プレスをかける人など、みんなそれぞれ他者のペースにとらわれることなく、自身の作業に没頭。
わからないことがあれば、その都度、教室内を回っている講師に「先生〜!」と声をかけ、指示を仰いでいく。定員は日によっても異なるが、最大で講師1人に対して7名。少人数制なので、初心者でも気兼ねなく講師に声をかけられる。また、ミシンも定員以上の台数が用意されており、作業工程が重なっても待ち時間が生じないのがうれしいポイント。
みんなそれぞれ黙々と作業を進める中、参加者の一人が「できた〜!」と声を上げると、周りにいた人もいったん作業の手を止めて、「わぁ〜素敵!」と感嘆したり、「セレクトショップに売ってる服みたい!」と讃えたり、一瞬にして笑い声が響く和やかなムードに。参加者同士、このつかず離れずの緩やかな距離感が心地がいいという。
レッスンの終盤、参加者に通い続ける理由を尋ねてみると、「わからないことがあればすぐに先生に聞けるから、最後まできれいに仕上がるのがうれしい」「自分のペースで作れる一方で、ほかの人の存在が刺激になる環境がいい」という声が印象的だった。
たしかに、ひとりだと難所でつまずいたり、失敗してモチベーションが下がったりして、なかなか完成に漕ぎ着くのが難しいけれど、人と一緒に学べば自ずと気持ちが鼓舞されるもの。それでいて、みんな各々作っているものが違うからこそ、技術や速度を人と比べて焦ることも、恥じることもない。仲間に刺激を受けながらも、自分の作業に没頭したい。そんな人こそ、ぜひ一度訪れてみて。
【スワニーの手づくり教室】
フリースタイルレッスンは毎週月〜土曜、午前と午後の1日2回開催中。料金はチケット制で1コマ(2時間半)2,900円。ミシンも初めてという人は、月替わりのデザインを1回のレッスンで完成させる“簡単ソーイング”コースがおすすめ。
住所:神奈川県鎌倉市大町1-1-8
TEL:0467-24-8888
『クロワッサン』1176号より
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