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だるさや疲れが取れない、やる気が出ない、寝つきが悪い――薬膳の知恵で夏の「疲労感」を改善する

暑さによる疲労感は、東洋医学の考え方で改善できます。薬膳、発酵料理研究家・山田奈美さんに、夏の不調を整えるレシピを聞きました。

撮影・高杉 純 スタイリング・久保田朋子 文・松本あかね

夏の高温多湿が及ぼす体へのダメージは大きい。「体の内側に熱がこもり、余分な水分が溜まってさまざまな不調が起こりやすくなります」と薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。東洋医学では心身は「気・血・水」の3要素で構成するとされる。「気」は生命活動のもととなるエネルギー、「血」は栄養を運ぶもの、「水」は体液を指す。暑さや、逆に体を冷やしすぎるとこれらのバランスが乱れ、夏バテにつながる。「薬膳では『すべての食材に薬効がある』と考えられています。抱えている症状に応じて、気を補う食材、熱を取る食材、水はけをよくする食材を取り入れ、夏の体の不調を整えていきましょう」

疲労感

だるさや疲れが取れない、やる気が出ない、寝つきが悪い――薬膳の知恵で夏の「疲労感」を改善する

□だるさや疲れが取れない
□やる気が出ない
□寝つきが悪い

薬膳では、「汗と一緒に気が流れ出る」といわれ、夏のだるさ、疲れやすさは「気」の不足が原因。また「気」は胃腸の働きによって作られるので、「気」を補い、胃腸を整える食材を摂ることが大切。鶏肉やアジ、イワシ、かぼちゃ、アボカド、大豆のほか、不眠からくる疲労には、精神を安定させるトマト、ピーマン、玉ねぎなどがよい。

鶏肉とかぼちゃの照り煮

だるさや疲れが取れない、やる気が出ない、寝つきが悪い――薬膳の知恵で夏の「疲労感」を改善する

写真右:疲れた体にほっとする味わいの煮物。鶏肉とかぼちゃは「気」を補う代表的な食材で、鶏肉には胃腸を温めて食欲を増進する働きも。

【材料(2人分)】
鶏もも肉…150g
かぼちゃ…200g
にんにく…1かけ
塩…少々
酒…大さじ1
片栗粉…適量
米油…大さじ1
A[酒、醤油、みりん…各大さじ1、黒酢…小さじ1]

【作り方】
1. 鶏肉は一口大に切って塩と酒をふり、片栗粉を薄くまぶす。かぼちゃは乱切り、にんにくはみじん切りにする。
2. 鍋に米油を入れて中火にかけ、鶏肉を皮目を下にして並べる。焼き色がついたら裏返し、かぼちゃとにんにくを加える。
3. かぼちゃに焼き色がついたらAを加え、沸いたら蓋をして弱火にし、ときどき煮汁をかけながら15分ほど煮込む。

豚肉とアボカドの生春巻き

写真中:豚肉とアボカドはともに気を補い、体の熱を取って粘膜を潤す食材。パクチーは気のめぐりを改善。「気・血・水」の乱れが整うひと皿。

【材料(2人分)】
豚バラ薄切り肉(しゃぶしゃぶ用でも)…6枚
アボカド…1個
赤玉ねぎ…1/4個
パクチー…3〜4本
生春巻きの皮…6枚
たれ醤油…大さじ1、みりん、酢(またはレモン汁)、ナンプラー…各小さじ2、唐辛子(小口切り)…1/3本

【作り方】
1. アボカドは皮と種を取って縦6等分にする。赤玉ねぎは薄切り、パクチーはざく切りにする。鍋に湯を沸かし、沸騰したら火を止めて豚肉を入れ、色が変わったらざるに上げて粗熱を取る。
2. 生春巻きの皮は1枚ずつ水に20秒ほどひたし、柔らかくなったらアボカド1切れを豚肉で巻いてのせ、赤玉ねぎとパクチーも1/6ずつのせて包む。
3. 同様に6個分作り、混ぜ合わせたたれを添える。

アジのパン粉焼き トマトとバジルのソース

写真左上:アジとトマトは消化機能を高めるため、食欲がないときに最適。トマトは体の熱を取り、水分代謝を促すうえに安眠をもたらすため、特に不眠で疲れが溜まっている人におすすめ。

【材料(2人分)】
アジ(3枚におろしたもの)…2尾
塩…適量
トマト…1個
バジル…5〜6枚
にんにく…1かけ
パルミジャーノレッジャーノ(または粉チーズ)…少々
パン粉…20g程度
オリーブ油…適量
黒こしょう…少々

【作り方】
1. アジに塩少々をまぶして5分ほどおき、キッチンペーパーで水気を拭き取る。にんにくはみじん切りにする。トマトは粗めのみじん切りにし、バジルは手でちぎっておく。パルミジャーノレッジャーノを削り、パン粉と混ぜ合わせる。
2. アジにオリーブ油を全体に絡め、パン粉をまぶしてしっかり押し付ける。
3. フライパンを中火で熱してオリーブ油を入れ、アジを皮目から焼く。パン粉に焼き色がついたら裏返し、両面こんがり焼いて皿に盛る。
4. 同じフライパンにオリーブ油大さじ1とトマト、にんにくを入れて中火にかけ、塩ひとつまみと黒こしょうで味を調え、トマトが崩れてきたら火を止め、バジルを加えてさっと混ぜ合わせ、③にかける。

  • 山田奈美

    山田奈美 さん (やまだ・なみ)

    薬膳・発酵料理家

    東洋医学、薬膳理論、食養生を学ぶ。神奈川・葉山の自宅「古家1681」にて和食薬膳教室や発酵教室などを開催。『12か月の薬膳食材帖』(主婦と生活社)など著書多数。

『クロワッサン』1170号より

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