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物事の感じ方が変わった! 句会を体験。

  • 撮影・岩本慶三 文・後藤真子
翌月の句会で配られる講評。水原さんが各人の最もよかった1句を選び感想と批評を添えている。

あっという間に2時間が過ぎた。不思議なことに、句会の終わる頃にはたくさんの鮮やかな風景が、胸の内に積もっていた。桜吹雪、瀬戸内の凪いだ海、夕陽、若草と白い紙飛行機。その日詠まれた数々の景色だ。
参加者の一人が、句会の妙味は「自分とは異なる人の目を通して、物事を見たり、感じたりできること」と話してくれた。現代で言えばインスタグラム等のSNSに通ずるものがあるかもしれない。心を動かされた情景を、簡潔な十七音に託して人とシェアする。文字のみで、だからこそ豊かだ。

さて、私が俳句を学びたかった理由だが、それは一冊の古い句集にある。義父の後藤祿山が遺したものだ。陶芸家だった彼は、俳人・草間時彦の教室に通って俳句をたしなみ、合同句集に名を連ねた。祿山の一句を引用する。

夜をついでさかる窯火やオリオン座

私が会った時、義父はすでに脳の病でうまく会話ができなかった。しかし句を読めば、冬の夜、窯の前で過ごしただろう静謐な時間や、眼差し、息遣いが伝わってくる。俳句という文芸の力を、しみじみ感じさせられる。

久珠(くみ)の会 句会
【月謝】2,500円
【会費】1,000円/月
【問合せ】Kuminokai.Haiku@gmail.com
東京都内の吉祥寺、四ツ谷、丸の内の各所で毎月開催。1回約2時間。初心者でもOK。入会は随時受付。日時等の詳細はメールで問合せを。

水原亜矢子(みずはら・あやこ)●俳人、久珠の会代表。中学時代より、大叔父である俳人・水原秋桜子に師事。句集に『夢の兆し』(角川書店)、著書に『芸術家の食卓』(小社刊)ほか。

『クロワッサン』975号より

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