「原稿を書いている時や撮影を終えた時、甘いものが欲しくなります。羊羹はそんな時にぴったり」
坂田阿希子さんにとって、あんこは小さい頃から身近な存在だ。
「米処・新潟で生まれ育ったんですが、ご近所に餅菓子屋さんがたくさんあって普段から大福やおはぎを食べてたんです。祖母も小豆をよく煮てました」
好きなあんこはあっさりしたさらしあん。塩味と甘みのバランスがよい『新鶴』の塩羊羹や赤坂『塩野』の塩乃羊羹もお気に入り。
「以前、鎌倉土産でいただいて気に入った『松花堂』のあがり羊羹も喉越し爽やか。ねっとりつるんとした舌触りで軽やかですが、小豆の美味しさも充分に感じられます。一方、祖母が大好きだった地元・長岡の老舗、『紅屋重正』の羊羹はこっくりした甘み。薄く切って舌の上で少しずつ溶かすように食べるのが、昔から好きですね」