高由貴子さんの和菓子好きの原点は、幼稚園時代にさかのぼる。
「実家が日本料理屋だったので両親が忙しく、よく幼稚園のお弁当に近所の和菓子屋さんのおいなりを持たされました。それが和菓子屋との出合い。そこで大福やおはぎを食べるのも好きでした」
大人になってからも、食事代わりに大福をつまんだりと和菓子好きは変わらず、結婚し、主婦に専念していたときにあんこ愛はさらに深いものになる。
「豆大福の食べ比べをしてみたんですが、おいしいと思うものが評価されていないことを知り、ブログに思いを綴るように」
細かな基本情報から店主とのコミュニケーションなしでは得られないマニアックな情報まで、ブログには様々な情報が網羅されている。“あんころりん”のニックネームを持つほどのあんこ好きである高さんに、小豆以外のおすすめを教えてもらった。
「この季節は旬の味覚を使ったあんこが見逃せません。かぼちゃや栗、さつまいも……。素材を存分に楽しめる和菓子を選びました。ペーストなどを使わず、手間暇かけてあんこに仕立てているものばかり。実は私、もともとはかぼちゃあんや黄味あんをあまり好まなかったのですが、『東海』の黄味しぐれや『清野』の月見まんじゅうのおかげで、大好きになりました」
東北地方のずんだ餅やくるみ餅、中津川地方の栗あんものなど、取り寄せが可能なものも多い。
「地方のものを自宅で味わえるのもうれしい。そこからその地方に興味が出て、赴いたことも。和菓子がきっかけで、好みや興味も広がります」