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【前編】佐藤愛子さんが現代の夫婦を一刀両断!「捨てたいのは夫? 贅沢な悩みですね」

“捨てたいもの”が何かを読者に尋ねたら、「夫!」という声が実に多くありました。まずは佐藤愛子さんに現代の夫婦の悩みをきいてもらいましょう。
  • 撮影・岩本慶三

「私なんかが生きてきたのとは時代が違いますからね。そうですか、『クロワッサン』の読者アンケートの結果“最も捨てたいのは、夫!”と。それで、本当に捨てて大丈夫? って、ずいぶん贅沢な悩みですね。大丈夫も何も捨てざるを得なければ貧乏しようと不自由しようと捨てるしかないし、どこか捨てるに忍びない愛情がいくらか残っているならですよ、『大丈夫?』なんて聞き方にならないですよね」

言われてみればそのとおりなのである。小説でもエッセイでも平易な言い回しで核心をつく佐藤愛子さんは、息をするようにユーモアあふれる鋭い指摘をしてくださる。サービス精神の塊! 

「私を怒らせようとして、こんな質問を作ったんじゃないでしょうね」

ーーいえいえ! 怒らせにきたわけでは決してありません。

「まあいいですよ。昔『クロワッサン』から時々うちに取材にきてた女の人がいて、何年前かしらね。最初にきたとき私に言うのよ。『出がけに編集長から“佐藤愛子はうるさいから気をつけろ”って言われました』って(笑)。それはそうだろうけどね、何もわざわざ言う必要はないじゃない。面白いわね」

「世の中すっかり変わったのね」と佐藤さん。

いくつか編集部に寄せられた離婚の悩みを聞いていただく。30歳で結婚したら、すぐ他に好きな人ができて浮気が夫にバレて殴られたペンネーム蝶々さん。浮気相手にも妻子があり、W不倫で数年ゴタゴタしている間にまた他の男を好きになってしまい泥沼である。

「だから何だっていうんですか。自分が選んでやってることですもんね。蝶々さんじゃなくて、夫に『別れなさい』と忠告したいです。蝶々さんは遊び半分でしょう。相手してくれる男がいなくなるまで40歳になっても50歳になっても変わりません。最近の60歳は色気あるから70歳まで繰り返すかも。行きつくところまで行くしかないです」

次の悩み相談は42歳のペンネームいおりさん。夫の持ち物に女の気配を感じて探偵を雇ったら、お腹の大きな浮気相手と産婦人科から出てくるところを撮影に成功。離婚を決めてマンションの権利をもらうことで話がついたのに、半年待っても財産分与の証書を書いてくれない。催促すると「浮気して離婚なんて職場にバレたら体裁が悪いから、考え直してほしい」となかなか離婚できない。どうしたらいいですか?

「別れると決めてるなら、別れりゃいいだけの話です。夫の体裁が悪いのは夫の問題だから、そんな言い逃れは通用しないですよ。いおりさんも、夫に『自分のしたことだから自分で引き受けなさい』と。それぐらいの理屈が言えなかったら別れても自力でやっていけないわ」

ーーとにかく証書さえ書いてくれたら離婚する意思は固いようです。

「弁護士を立てるなり、裁判に持ち込むなり積極的に行動すればいいじゃない。夫にそう告げれば、そんな大仰なことになって職場にバレるよりは密かに別れようと思うでしょう。離婚が新聞に載るわけじゃないから(笑)」

もうひとつ、シングルマザーになるかどうかで悩んでいる45歳のペンネームACOさん。結婚13年目にリーマンショックが起きて、夫の会社の資金繰りが悪くなり数年で倒産。クレジットカードの請求が家にたくさん届き、明細を調べると1泊20万円のホテルや1食6万円の食事など、おかしな請求が多いので、不審に思って問い詰めると水商売の女性に貢いでいた。離婚して家だけもらう約束になっているけど、子どもを大学にやれるか考えると心配で眠れない。

「それはリーマンショック関係ないわね。元々そういう自堕落な男だったのか何かやけくそになるきっかけがあったのか、女と遊ぶことにつぎ込んだわけでしょう。夫もお金がなくなったら、妻とひっそり暮らすことになりますよ。離婚するなら、悩んでないで家を売って算段を立てるしかないですね」

『クロワッサン』940号より

●佐藤愛子さん 作家/大正12年、大阪生まれ。代表作に『血脈』『晩鐘』など。近著『九十歳。何がめでたい』は現在45万部のベストセラー。

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