くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】別れた夫のことが気になってしまいます。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回はスピード離婚した夫のことが忘れられない女性からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>

離婚した前夫が元気でやっているか気になる、という気持ちが成仏する方法について。
こんにちは。いつも53世さんのお悩み相談拝見しています。私も表題の件を相談させてください。
前夫と離婚した原因は彼の独身時代からの500万の借金で、ある日いきなり「え?言ってなかったっけ?」くらいのゆるいカミングアウトから発覚しました。結婚してからのライフプランをしっかり練っていた私はどうしても2人で頑張って返して行こうという気になれず、かと言って夫の稼ぎだけで計画的に返せるような金額でも無く……一気に私の気持ちがさめて、結果スピード離婚。
前夫は、頑張るからやり直そうと歩み寄って来てくれてはいましたが、この悩みを相談していた男性から「今度は僕と」と言われて気持ちが傾き始めていた(もちろん前夫には言ってません)ので、それが気持ちの後押しになりズバッと踏み切った形です。その男性が、今の夫です。

ですが、その罪悪感からか、今の家庭に幸せを感じれば感じるほど、あの当時前夫にもうちょっと歩み寄って頑張ればよかったかな……とか、ちゃんと今は彼女とか出来て仕事頑張れてるかな……とか、余計なことを考えてしまいます。もちろん別れてから一度も連絡は取っていませんし、これから取るつもりもありません。

暇だからだと言われてしまえばそれまでですが、なんとかこの気持ちが成仏するよう、アドバイス頂けませんでしょうか。

(モモ/女性/35歳、夫と1人のかわいい子供に恵まれ、日々ドタバタながら慎ましく幸せな暮らしを楽しんでいます。)

山田ルイ53世さんの回答

「夫と1人のかわいい子供に恵まれ、日々ドタバタしながら慎ましく幸せな暮らしを楽しんでいる」モモさん。
一方で、罪悪感にも苛まれています。

やはり、「前夫との悩みを相談していた男性から、『今度は僕と……』と言われて気持ちが傾き始め、それが後押しとなりズバッと踏み切った。その男性こそ、今の夫だ」という馴れ初めがご自身としても引っ掛かっておられるのでしょうが、あれこれと「余計なことを考えてしまう」のは暇だからと言うより、今幸せだからではないでしょうか。
幸せゆえに余裕が出来た……言うなれば、今、相談者が身を置くのは“安全圏”。
罪悪感というより、ある種の優越感のようなもの、と映らなくもない。
いや、これは言い過ぎました。
申し訳ない。

誤解して頂きたくないのは、相談者を責めているわけでは全くないということ。
筆者の経験上、“500万の借金”をうっかり言い忘れるなんてことはまずない。
前の旦那さんは、「言えなかった」もしくは、「言わなかった」のだと思います。
額が額ですし、一気に気持ちが冷めてしまったのも、十分理解出来る。
一方で、元夫からすれば、今更貴方に心配してもらうことほど、“余計なお世話”なことはありません。
今手にしているご自分の暮らしに集中することをお勧めします。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
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