【慰謝料】証拠がカギ。ただし深追いしないこと。
慰謝料を請求できる期間は離婚成立から3年以内。請求可能な主なケースは浮気などの相手の不貞、家出し生活費を入れない等の悪意の遺棄、DVなどの暴力があった場合だ。逆に請求ができないのは、性格や価値観の不一致といった、責任がどちらにあるとも言えないケースの場合である。
「明らかな不貞や家庭を顧みずに生活費を入れない、暴力を繰り返す……等、相手が有責配偶者(離婚事由をつくった者)のときは慰謝料を請求できます。といっても証拠があればの話です」
浮気の場合は興信所で調べた資料、GPSの記録、暴力や暴言の場合は写真や日記、診断書など。とにかく些細なものでもいいから、できるだけ多くの証拠を集めておくことがカギ。
「ただ誤解があるようですが、慰謝料は決して大きな金額ではありません。病気の奥さんをひとり残して面倒を見ないとか、何年も家を出てしまうとか、それくらいひどいことをすると大きい金額を請求できますが、100万円近辺が多いのではないでしょうか。どんなにリッチな家庭でも400万円くらいまででしょうか。有名人の離婚で耳にする高額な慰謝料は、財産分与かプライベートなことを口外しないという口止め料が含まれている等、様々な費用が合算されていると思います」
一般の人々がイメージしている慰謝料は現実のものとはかなり異なるようだ。何千万という慰謝料を支払う経済力を持っている人はそうそういない。またそんな判決は稀有なのだ。