藤田 ほかに困るのは、彼が大好きな雑誌。どうやっても自分の部屋に持って帰ってくれず、いろんな共有スペースに置きっぱなしにしていたんですよ。だから、リビング、トイレ、ベッドルームすべてに、雑誌用のケースを置くことにしました。ここに入れるんだよって言っておけば、一応しまってくれます。そして、そこからはみ出す量になった時に、どうするかを聞きます。
本間 それは大事。リビングなどの共有スペースはくつろぐ場所だから、ごちゃごちゃする個人のものは持ち込まないのが基本のルール。でも、随時使うものであれば箱などを設けて、この範囲なら許しましょうと緩く設定してあげるのも一案です。暮らしているんですから、そんなガチガチなルールで縛れない部分もありますよね。例えば、リビングに家族銘々のボックスを用意して、そこにニックネームなどで、この箱は〝朋ちゃんスペース〟と名付けてみる。「片づけて」って頭ごなしに言われるより、「朋ちゃんスペースに入れておいて」と言われるほうが、相手も素直に行動に移せますよね。
藤田 我が家ではほかにも、銭湯にあったアンティークの下駄箱を収納棚として使っています。それぞれナンバーが入っているので、彼には「21番」を使ってもらい、「片づけられたら困るものは21番に入れてね」って
本間 いいですね。収納に遊び心があると、片づけるのが楽しくなるし、片づけに誘導するのもラクです。それから、常識に捉われず、相手の動線に合わせて、物を置きやすい場所を設定する、というのも解決方法としてオススメです。「何度言っても夫がスーツや鞄をリビングに置きっぱなしにする」という相談を受けたことがありますが、ご主人の動線を見ると、疲れて帰ってきて2階の寝室に行くより、1階のリビングで着替えたほうがラクなんです。そこで、玄関近くにちょっとしたご主人コーナーを作って、そこに置いてもらったらどうかと提案し、解決に至りました。そこに上着をかけたり、鞄を置くようにしたら、ご主人も帰宅後の儀式のように感じて、気分よくやってくれるようになったそうです。
藤田 我が家も、毎回毎回お風呂に入るたびに夫が「パンツは?」「靴下持ってきて」となるので、下着類は全て洗面所に置くようにしたら、私の面倒が減りましたね。ほかにも、彼はスポーツ選手がよく手首に巻く、シリコン製のブレスレットをつけているんですけど、いろんな場所に置き忘れて、出かけるたびに「どこ、どこ」となっていたんです。そこで小皿を用意して「専用の入れ物だからここに置いてね」と伝えたら、なくさなくなりました。
本間 ご主人の動きをよく観察して、片づけの仕組みを作ってあげるのがとても上手ですね。よく観察すれば、片づけられない原因が見えてきます。