ペットボトルの紅茶はほとんど飲まなかったのだが、最近買っているのが、「紅茶花伝」のピーチティー。桃の果実感が気に入っている。
つい先日、ピーチティー片手に仕事先へ行くと担当の編集者が挨拶もそこそこに
「そのお茶!」
と嬉しそうに叫んだ。
「三四郎のオールナイト、聴いてるんですか!?」
……はて? なんのことやら。黙ったわたしに、察した編集者が慌てて説明してくれた。「三四郎のオールナイトニッポン」で三四郎の相田がこのピーチティーの美味しさを力説しているらしいのだ。なるほど……合点がいった。いや、編集者が嬉しそうにペットボトルを指差した理由にではなく。聴いていないラジオ番組での出来事を熱量を持って話された時の戸惑いを。
わたしにも覚えがある。豆乳鍋に凝ってると聞いて「伊集院がラジオでススメてたよね!」と言い、キョトンとされたこと。湖池屋の「じゃがいも心地」を食べている人がいると「爆笑田中のイチオシ」と言わずにはいられないこと。便利グッズをプレゼントする時に「これは『生活は踊る』ってラジオで……」とグッズではなく番組の紹介から始めてしまうこと。
たしかに「お、おぅ……」としか返事できないな。ピーチティーの件でそう実感した。
しかし、ピーチティーをゴクゴク飲みながらこうも思った。「やっぱりラジオのフリートークでオススメされている物って信用できるなあ」