松田美智子さんに学ぶ、にんにく味噌の作り方と3つのアレンジレシピ。
撮影・荒木大甫 文・板倉ミキコ
みそ、醤油、塩麹にみりん。日本が誇る発酵調味料にひと手間加えたのが、料理研究家の松田美智子さんが冷蔵庫に常備している自家製の万能調味料。
「いろいろ作ってきた中で、本当に役立つものだけに淘汰された調味料です。材料があれば誰でもできる簡単なレシピですから、事前にちょっと手間をかけて仕込んでおけば調理時間を短縮できる点が、今の時代に合っています」
万能調味料でさっと食材を炒めたり和えるだけで、困ったときの“あと一品”がすぐできる。また時間のあるときは手間をかけ、数種の料理に展開できるのもこれらの万能調味料の強み。
「何と言っても、自分だけの調味料を育てることで、市販品とはまた違う、味の世界が広がる料理が作れるのが利点だと思います」
みそや醤油などがベースなので、調味料同士の相性も良く、掛け合わせればバリエーションは無限。
「にんにくみそは、作り足して30年ほどの付き合い。漬けた素材から出る旨みでどんどん味がよくなり、味付けの大切な決め手になっています」
素材をぐっと引き立てる、程よい味加減なのも松田さん流。
「日本人らしい繊細な舌を守るには、味付けは控えめにすることが基本です。ちょうどいい塩梅も、万能調味料があればピシッと決まります」
【にんにくみそ】漬け込む素材の旨みが加わり、使うほどに進化する調味料。
2種類のみそを組み合わせるのが基本。松田さんはすっきりした味わいが好み。みそ汁でいつも使っているものであれば、自分好みの馴染みやすい味になる。
【材料】
みそ2種(豆みそ・米みそなど)各500g、酒1/4カップ、にんにく1個
【作り方】
みそと酒をよく混ぜ、琺瑯、またはガラス容器に半量入れ、半分に切って芽を除いたにんにくを並べてから残りを入れて、表面を平らにする。冷蔵庫に2週間おいてから使い始める。水気が多くなったら、ペーパータオルなどで押さえるとよい。風味が薄れたら、にんにくを足す。みそも適宜足しながら、冷蔵庫で好みのにんにくみそに育てる。賞味期限はなし。時々混ぜる。