落語における演目の数と持ちネタ数を解説します。│柳家三三「きょうも落語日和」 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン
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落語における演目の数と持ちネタ数を解説します。│柳家三三「きょうも落語日和」

  • イラストレーション・勝田 文

「落語の演目はどれぐらいの数があるんでしょうか」

こんなご質問を私ばかりでなく、仲間の噺家もたいていお客さんから受けた経験があるようです。

まず結論から申し上げれば正確な数は誰にも判らないようです。新作と古典とか、落語と小咄の線引きとか、東京と上方の違いとか……。条件を整えるのにクリアすべき項目が多々ありますが、そのひとつひとつも解釈の違いで……まあ、ちゃんとした数は無理として、よく言われるのが五百数種くらいではないかと。

もちろん全部の落語を一人の噺家がすべて覚えられるわけではありません。一人の噺家の持ちネタの数って話になると個人差がありますが、二百から三百席ちょっと……あたりではありませんか? キャリア数十年で。

私は二十五年程の落語家歴で二百八十種類ほどの噺を高座にかけました。しかしそのすべてを現在演じられるわけでもないのです。

(1)いつでもすぐ演じられる、ベースの持ちネタ(十〜二十席)
(2)現在マイブームで頻繁に演じ、ベースに加わる可能性のあるネタ(十席程)
(3)すぐには無理だが、一〜数日おさらいすればできるネタ(数十席)
(4)やってはみたものの自分に合わず“お蔵入り”のネタ(たくさん!)

こんな感じで分類され、(2)と(3)はわりと入れ替わりの頻度が高く、でも時として(4)からいきなり(2)になり(1)へ……。その落語を演じるのに絶好の日和は、いつ訪れるかわかりません。

柳家三三(やなぎや・さんざ)●落語家。公演情報等は下記にて。
http://www.yanagiya-sanza.com

『クロワッサン』980号より

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