むらかみさんが提唱する手紙の要素は次の5つ。
①紙を選ぶ
②ペンを選ぶ
③文章を考える
④文字を手書きする
⑤切手を選ぶ。
このうち、①と⑤の紙と切手選びは、受け取った瞬間の相手の気持ちに最も響く要素だという。
「書く側が一番悩むのは文章ですが、受け取る側は“なんてきれいな紙なんだろう”とか、“こんな可愛い切手があるんだ”と、見た目の第一印象から入ります。私たちの脳はビジュアルに強く惹かれるもの。文章に悩むよりもらって喜ぶ相手の顔を思い浮かべてペンを走らせましょう」
紙選びは季節にちなんだ花の柄や富士山や四つ葉のクローバーといったラッキーモチーフ、猫や音符など相手の好きなものや趣味にちなんだデザインがおすすめ。
切手もまた季節や相手の趣味にちなんで。日本郵便で扱っている普通切手ではなく、切手ショップやネットで買える昔の切手を2枚、3枚と組み合わせて貼る手もある。
「切手だけではなく、郵便局受け付けの風景印という消印を利用しても楽しいです。東京の上野郵便局だったらパンダと西郷さん、麹町郵便局だったら日本武道館と、その地方地方の郵便局にそうした風景印が用意されているところがあります。窓口で“風景印を押してください”と言うと押してもらえます。こういうものがあるんだと、次に相手に会ったときの話のきっかけにもなりますよ」
珍しい切手にその土地独特の風景印。送り手はいろいろな組み合わせを考える楽しみを味わえ、受け取る側は間違いなくうれしい。