花をあしらうのに、時には拾った石なども利用してみる。
「お皿に置いてそこに茎をからめたり、不安定な花材を押さえるのに石は便利。自然界のものだから雰囲気を損ないません」
前出したガラスの器は、花を挿したときに口元ギリギリになるまで水を入れると、あしらった花の一部のように溶け込む。また、水垢がついても手が届き、洗える位置なので、器の透明感を維持しやすい。
「同じ花を大小つけて生けたり、色だけ統一して違う形を挿したり。また口の広いガラスに少量の水を張り、器内に収めて飾ればまた違う印象に」
小さい器に小さい花は定番だが、あえて極端に長い花卉や枝ものを挿すのもおもしろい。そのときに活躍するのも石。
「中途半端な長さをやめ、潔く極端にふると、それはそれで意外なバランスが見つかり、新しい境地が開けるはず」