くらし

お花写真家に教わる、イメージ通りに花をいけるための3つの基本。

  • 撮影・三東サイ 器・安部太一

[まとめすぎない]アレンジでも大事にしたいのは、自然の、奔放なニュアンス。

多種類の花を合わせるアレンジも、ポイントはまとめすぎないこと。山や野にある姿を大切にして作るとセンスの良さが感じられるものに。
「上のアレンジなら青〜紫のグラデーションで作ると決め、同じ種類を1カ所に固めず、あえてランダムに配置。同系色で合わせる場合は1つ、濃い色を入れると締まります」
今回はギリアの濃い青紫で。一方、下のアレンジは同種類の花は固めて配置した。だが、双方ともどこにも面は作らず、高低や長短をつける。そのリズムが自然な感じを醸し出す。
「初心者は面を作りがちですが、きちっと揃った面は自然界ではあまりないはず。デコボコでも非対称でも充分きれいなアレンジに」

花がしおれたら摘んだ草花を足したり、ドライフラワーにしてもいいが、「落ちた花びらもそのままにして、変化自体も楽しんでほしい」と椿野さん。花は無限に与えてくれる。

花を種類でまとめず、野にあるように自由な、立つアレンジ。

立たせるなら大きい皿に。中央の茎が水につく程度の深さも必要。
1. 茎の長さを生かしてカットし、使う花材を並べる。ギリア、ボリジ、ブルーレースフラワー等。
2. 親指と人差し指で作った輪に放射状に差していく。花の位置を動かしやすいようにゆるく握る。
3. 時々手を伸ばし、遠目にバランスを見ながら調整。同系色の中に1つ濃い色を入れると締まる。
4. 外周を若干長め、中央を短めに茎を水平に切る。上部のボリュームに合わせ、下の長さを決める。
5. 何度か立たせてバランスを見る。細い茎ものもたくさんあれば立つ。自然素材の紐等で固く結ぶ。

こちらは花の種類ごとにまとまりを作るアレンジ。

1本だけ長くハゴロモジャスミンを垂らして完成。
1. 花材を並べ、バランスや色のメイン、つなぎなどを考える。ピンク〜オレンジ〜薄い紫に。
2. 中心にラナンキュラスを持ち、ビバーナム・ティナスを放射状に差していく。種類ごとに固めて。
3. ピンクと紫のそばに薄い紫がかった葉を配し、つなぐ。花と葉は6:4ぐらいの割合が目安。
4. 全体の頭を揃えない。上下させたり横に出したり、間に葉を挟むなどして、仕上げる。

椿野恵里子(つばきの・えりこ)●お花写真家。’74年、兵庫県生まれ。自然の光を大切に、フィルムで撮影した季節の花と果実の写真に文章を添えたカレンダーを製作。HP風景のあと huukeinoato.jp

『クロワッサン』974号より

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