噺家という仕事柄、さまざまな手みやげを贈る機会が多いという三遊亭歌る多さん。「これは、久しぶりの大ヒット」と語るのが、岐阜・郡上市にある『明宝家』の黒糖ジンジャーシロップだ。
「郡上市の明宝という地域で、毎年寄席が開催されていて、もう20年以上続いているんです。私も初回から出演していて、毎年お邪魔しています。明宝は小さな村ですが、自然が豊かで、トマトケチャップやハムなどでも有名。素朴でおいしいものがたくさんある土地なんです」
黒糖ジンジャーシロップに出合ったのは、今年の冬、寄席に出演するために、明宝を訪れたときのことだ。明宝家は、もともと鶏肉と野菜を独自のタレで炒める郷土料理“鶏ちゃん”を作っている地元の会社。シロップはそのタレを作る際に残る生姜を生かすために誕生したという。生姜と沖縄県産の黒糖のみを原料としていて、シンプルながら濃厚な味わい。歌る多さんは、冬はお湯割り、夏は炭酸で割ってジンジャーエールに。そのほか、自家製の豆乳ヨーグルトに垂らしたり、炒め物の調味料としても使っている。
「私、最近の趣味は長生きでして(笑)。健康にいいものは、何でも取り入れているんです。このシロップも、おいしいのはもちろん、身体を温めてくれる生姜がたっぷりでうれしい。女性受けがいいので、知り合いの女優さんの舞台を観に行った際、楽屋見舞いとして度々贈っています。皆さん、気に入ってくださいますね」
スタイリッシュなデザインの瓶には、専用の手提げ袋と一緒に、細長いメッセージカードもついている。そこに一言添え、自身の千社札のシールを貼って贈るのが、歌る多さんならではの流儀だ。
「もうひとつ気に入っているのが、シロップも瓶の蓋も、私の大好きな黒色だということ。“歌る多らしい手みやげだな”と思っていただけるのもうれしいんです」