くらし

ケチくさいと始末がいいの 境界線について話し合ってみた。[前編]

  • 撮影・岡本 潔 文・室田元美

家事は合理的で楽しくなくちゃ。 ガマンするものではありません。

———古くなったものをどこまで使うか、こんな質問も。「汚れた雑巾を洗って使うのはイヤなんですけど、みなさんはどうしていますか?」

阿部 雑巾ってもともと使い古したタオルやシーツの最終章なわけ。だからあまり汚れていない所から拭いて、最後に窓のサッシや玄関を拭いて真っ黒になったら洗わずにポイ、でいいのよ。ただ、最近はまっさらな雑巾が売られているから、それは洗えるうちは洗ってふつうに使ってください。

大庭 雑巾ってぼろ布が最後に行き着くところですよね。そう思ってたから私、お店で雑巾が売られているのを見たときはびっくりしました。

植村 私は学校に提出する雑巾は、使い古しは失礼かと思って100円均一で買っていました。

阿部 なるほど、そういう考えもあるわね。

———まあ、忙しい保護者に雑巾は縫えないかもしれないし。買うのもありですよね。

阿部 小・中学校時代の雑巾を思い出すと、ドロドロで臭くて触りたくない。洗って干しても雑菌は残るしね。あそこまで使うのはイヤだ。何度も水を替えて洗うのも水のムダ。家事って合理的に楽しくやったほうがいい。不快なことはやめましょうよ。

古タオルを雑巾にして家中拭いて汚れたらポイ。無理に洗わなくてよし。(阿部さん)

 ———家事の話が出たところで、これはどうでしょう。「愛用の湯呑みに茶しぶがついていたら、『新しいのを買えば? 100円均一で何でも買える時代なんだから』と義母から言われました。やきものですけど古いと見すぼらしいのでしょうか」

阿部 そんなのは、茶しぶを落として使え! 手間ひまをなんと心得るか。

植村・大庭 (笑)

阿部 ふだん手もとに置いておきたいものは、安物を買わない。妥協しないで気に入ったのを買って、ちゃんと手をかけて使えって言うの。それこそ生活文化だと思うんだよね。さっきの使い捨ての雑巾とは違うんだから。

植村 ごもっとも!

大庭 そうですよね。古いものを大事にするのは節約の基本ですし、手間ひまかけて手入れするのは心の豊かさにつながると思います。

阿部 愛用している湯呑みでおいしいお茶を飲みたいというのが、その人の美意識であり豊かさじゃない。湯呑みをていねいに扱うようになるでしょ。所作も優雅になるでしょ。おいしいお菓子のひとつも食べたくなるしね。そういうのは一人でも、たとえ年を取って遠くへ遊びに行けなくなっても一生できる楽しみです。大事にしなきゃ。

30年前のストッキングも大事に手洗いしてはいてます。(大庭さん)

後編では、さらに「ケチくさい」と「始末がいい」の境界線について白熱議論!

植村朗子(うえむら・うららこ)●美容コメンテーター。自ら美しくあるために行っている、日々の工夫や努力等、説得力のあるコメントが好評。美しき50代として雑誌やネットメディアで活躍。

阿部絢子(あべ・あやこ)●生活研究家、消費生活アドバイザー。家事や生活を賢く合理化する方法を伝授。この春、家事に費やす時間を見直すために『ひとりぐらしのシンプル家事』(海竜社)を出版予定。

大庭聡恵(おおば・あきえ)●漫画家。風呂、暖房、冷蔵庫などを手放した『びっくり節約生活!一家6人+1(プラスワン)月7万円』(二見書房)が話題に。最近はエッセイ執筆も。

『クロワッサン』966号より

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