食べて元気をプラス! 夏バテ撃退レシピ
イラストレーション・YUKI UEBO 文・小沢緑子
過酷な環境と加齢の影響、自律神経の乱れが深刻化
「夏の不調で多いのは胃もたれなど胃腸のトラブルですが、年々過酷さが増す現代の夏は、外気温と室内の温度差からくる『自律神経の働きの乱れ』に注意してほしいです」と、内科医の常喜眞理さん。
冬も寒暖差はあるものの今の夏の比ではなく、「外に出れば強烈な紫外線にも晒され、室内や電車の中では冷房が効きすぎて、温度差は10℃以上になることも。その変化に、体温調節を担う自律神経の働きが追いつかず、食欲不振、倦怠感、冷え、下痢や便秘、頭痛などの諸症状を引き起こすのが現代の夏バテといえます」。
さらに40〜50代になると、日頃から更年期症状に悩まされがちな人も……。
「年齢的に体の細胞が老化する加齢変化もありますし、女性ホルモンの変動による更年期症状も重なれば、若い頃に比べて体が疲れやすいのはある意味当然。体力の消耗を防ぎながら夏を元気に乗り切るためには、食をはじめ日々の生活習慣を工夫することがますます必要だと思います」
エネルギー不足を回避する、主食・主菜・副菜の原則
「栄養面からみると、夏バテの原因は食が進まないことからくるエネルギー不足がほとんど。対策は『1日3食を、主食(糖質・食物繊維)、主菜(たんぱく質・脂質)、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)の3要素でいかにバランスよく整えるか』が鍵です」と、管理栄養士の牧野直子さん。
といっても、難しく考える必要はなし。
「毎日同じ食品ばかり食べるのは避けてほしいですが、たとえば朝食ならパン+チーズ+ミニトマト、ごはん+納豆+もずくでも。3要素が満たされれば、食事で摂った栄養素が代謝され、エネルギーとしてうまく利用されます」
また、毎食バランスよくでなくても、「朝摂れなければその分を昼や夜に、あるいは翌日など早めに補って帳尻合わせをすればいいですし、すべて手作りにこだわらなくてもいい。今はお惣菜も優秀ですし、調理に火を使いたくなければ缶詰、市販の温泉卵、カット野菜などを組み合わせても充分。気持ちもラクになると思います」。
この季節の体づくりが、秋以降の健康を守る
すでに夏バテ気味で食欲がない……と感じているようなら、「量より質」作戦を。
「食欲がないなら、前述した3要素が揃った食事を無理せず少量ずつ、1日4食など分食でもよいと思います。体の細胞は食事で摂った栄養素を元に何カ月もかけて入れ替わるので、今疲れを感じているなら以前から体がバテる原因があったのかもしれません。夏に限らず、一年を通して食のバランスは気にかけてほしいです」(牧野さん)
また、熱中症リスクに晒されるほどの今の暑さは、体だけでなく、メンタル面に影響もあるので注意を、と常喜さん。
「あまりの暑さから、近所に買い物、散歩も控えるなど、いつもの行動を制限しなくてはならないことが続けばストレスに。特に更年期は心身ともにバランスを保つために、普段からリラックスを心がけることが大事です。香りのいいお茶を飲んでくつろぐ、推しのビデオを観るのもいいので、好きなことをして自分を甘やかす時間も上手に作ってほしいと思います」(常喜さん)
『クロワッサン』1170号より
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