【俳優・阿部サダヲさんに聞いた】ロックに合わせ親バカを歌い上げる法廷劇!?──大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』

舞台は法廷。天才と信じる息子の親権を巡り、夫婦が裁判で泥沼の争いを繰り広げ、ロックで親バカを歌い上げるらしい。阿部さんはミュージカル俳優の夫、松たか子さんが演歌歌手の妻、峯田和伸さんと黒崎煌代さんが息子たちを演じる。

「僕は松尾スズキさんのミュージカル作品にしか出たことはなくて。ミュージカル俳優の方って背筋がスッとして、基礎ができているイメージですよね。僕は何も習ってないから」

ボイストレーニングなどをするのかと問うと「しません」ときっぱり。

「『R2C2』の時に初めて声楽の先生がついたのですが、レッスンがすごくキツくて、やりたくないですと言った記憶があります（笑）」

9月のグループ魂のライブでも、ジャンプしながら驚く声量でパンクを歌い上げていた阿部さんだから、きっと必要はないのだろう。

「歌ったり踊ったりしながらお芝居するのは楽しいです。大パルコ人のシリーズは、これまでもサンバイザーとかブーブークッションを配って、お客さんを巻き込んで盛り上げてきたので、今回も何かあると思います」

ミュージシャンやお笑い芸人ら、多彩なキャストが集結し、自分たちで演奏するスタイル。稽古場は笑い取り合戦になるのかと思いきや、そんなことはないですと静かに答えた。

「宮藤さんの台本はすでに面白いので、余計なことをしなくても台本に沿ってやればお客さんは笑ってくれるので大丈夫なんです」

宮藤さんは本作の宣伝動画で「僕も阿部くんも55歳。いつまでふざけていられるか」とコメントしている。

「最近は宮藤さんのほうが若い気がします。グループ魂の昔の歌とか、この下ネタ（年齢的に）説得力あるかな？　と思うことがありますから。今回は藤井隆さんとの絡みがけっこうあるので、初共演が楽しみです。お祭り感が強いので、観終わったら、楽しかったけど話はよく覚えてない、くらいでいいんじゃないかな（笑）」

大パルコ人⑤オカタイロックオペラ