アート色の強い個人店が急増中! 京都・五条南エリアを歩く。
新店を中心にご案内。
撮影・津久井珠美 イラストレーション・ヒラノトシユキ 構成&文・中岡愛子
五条南
昨秋、京都市立芸術大学が移転してきたのをきっかけに、アート色の強い個人店が増える注目エリア。京都駅からも近く、観光客にも便利。
アクセス▼
京都駅から徒歩約15〜20分。阪急京都河原町駅から徒歩約10分。京阪清水五条、七条駅からも歩ける。
酒と肴 土と日(つちとひ)
滋味深くあたたかな季節野菜と酒の店。
会社員時代からの料理とお酒好きが高じて、西木屋町での間借り営業を経て、2023年2月にオープン。
「当初は土日のみの営業だったので」と店名の由来を教えてくれた店主の長谷川みづほさんは、おしゃべりしながらも丁寧に手を動かす。煮卵が添えられたとりきもは驚くほど柔らかく、ジューシーな蒸し鶏には醤油ねぎがたっぷり。
「このメニューにお酒を合わせるなら、うまみが濃厚な太陽酒造の〝たれくち〞がいいですね」と。
幸せに浸れる。
●京都市下京区大工町495
TEL.075・746・6866
営業時間:18時ごろ〜24時 不定休
詳細はInstagram@soil_and_the_sun
京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA(アクア)
地域と繋がる新しいアートスペース。
日本最古の芸術大学が昨秋、京都駅東側エリアに移転。一般の人も利用できる展示室では、4月20日から6月9日まで、現代美術家の山本麻紀子さん、画家の森夕香さん、漆作家の佐々木萌水さんによる展覧会を予定。
「地域との対話を通して生まれた作品を、自然の中を散歩するように展示する予定です」と話すのはキュレーターの藤田瑞穂さん。そこには「社会との繋がりを意識した大学だからこそできる展示を」という想いが込められている。
●京都市下京区下之町57・1 京都市立芸術大学 C棟1F
TEL.075・585・2010
営業時間:11時〜19時 月曜(祝日の場合翌日)休
2ème MAISON/ドゥージィエムメゾン
一日中、食事もお茶もお酒も自由に。
五条大橋の北西に佇むビストロカフェ。見晴らしのいい店内には、古着店やドライフラワーの店を営むオーナーが集めた趣のあるアンティークの家具がゆったりと並ぶ。
昼下がりのおすすめはボリューム満点のクロックムッシュ。ライ麦やひまわりの種の食感が心地いい雑穀パンに、ひとつは自家製ミートソースとホワイトソース、もうひとつはホワイトソースとベーコンをアレンジ。
サラダまで抜かりなくおいしく、昼ワインを楽しむ人も。
●京都市下京区寺町通り五条上る西橋詰町794
TEL.050・3350・5877
営業時間:12時〜23時(フードLO22時、ドリンクLO22時30分)
水曜休
そのば
陶芸スタジオ併設、感性豊かな蕎麦の店。
美大でインテリアデザインを学んだ吉田健人さんは卒業後、オーストラリアで経験した飲食の仕事から「自分のアイデンティティは?」と疑問を抱き、滋賀・信楽にて2年間蕎麦打ちを修業。
4年の間借り営業を経て、2023年7月にオープンしたこの店は、すべてが手づくり。
自家製の鴨のローストは上品で柔らかく、北海道奈川産の在来種の蕎麦粉から打つ蕎麦は喉越しすっきり。手触りのよい手製の器を持ち、鰹ベースのやさしい出汁を飲み干す。
●京都市下京区本塩竈町533・3
TEL.080・6647・7271
TEL.11時30分〜15時 水・木曜休
『クロワッサン』1113号より
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