くらし

白崎茶会の「基本の酒粕発酵パン」で作る、酒粕ブール。

一つのボウルでパン生地ができる、超かんたんなレシピ。
昔ながらの地粉と発酵食品で作る、安心でおいしい、毎日食べたくなるパンです。
  • 撮影・森山祐子、青木和義(人物) スタイリング・中里真理子 構成&文・越川典子

フランスにバゲットがあるように、ドイツに黒パンがあるように、日本にも地粉を使ったパンがあっていい。そんな発想から白崎さんが「地粉パン」レシピを考案したのが20年前。

「地粉とは、昔から各地方で栽培されていた小麦で作るうどん粉のこと。うどんはもちろん、天ぷら、おやき、蒸しパン、焼き菓子まで、日本人は地粉で作っていました。今回、タンパク質量9%ほどの地粉で作りましたが、含有量がもっと低い場合は、水の量を少し減らしてみてくださいね」

今が旬の酒粕との相性は抜群。

「かんたんで失敗しないレシピ。ふんわり、もっちりの食感を楽しめます」

【地粉(中力粉)】右・「オーサワの南部地粉」 1kg 507円、左・「北海道産小麦使用 地粉」 1kg 518円(共にオーサワジャパン TEL.03・6701・5900)
【酒粕】奈良県産コメのみで作った新酒の「酒粕」 250g 410円(陰陽洞 TEL.046・873・7137)
【ドライ酵母】右・「白神こだま酵母ドライG」 5g×8袋 843円(パイオニア企画 TEL.045・773・48 02) 左・「北海道とかち野酵母インスタントドライイースト」 5g×6袋 480円(ニッテン商事 TEL.043・301・8661)

【 基本の酒粕パン生地 】

【材料(作りやすい分量)】
A[酒粕 25g、湯(50度)150g、てんさい糖 10g]
ドライ酵母 小さじ1/3(1g)
地粉 250g
海塩 5g
植物油 15g

1.ボウルにAを入れ、泡立て器でよく混ぜて酒粕を溶かし、30度くらいに冷ます。
2.ドライ酵母を加え、よく混ぜて溶かす。
3.地粉の半量を加え、泡立て器でよく混ぜてなめらかな状態にする。
4.残りの粉を加え、ヘラに持ち替えて、粉っぽさがなくなってから、さらに1〜2分、しっとりしてくるまでよく混ぜる。*かたすぎて粉っぽさが残る場合は、水を少しだけ足す。
5.塩を指先ですりつぶしながら加え、植物油も加えて、3分ほど、油がなじんで生地がまとまるまでよくこねる。*指先を使い、生地の端を引っぱり中央に集めるようにしてこねる。
6.ボウルにラップをして、室温で20分ほど置く。*この時間で、生地がよく水を吸ってのびがよくなり、きれいにまとまる。
7.生地を1分ほど軽くこねて丸め直し、ふたたびラップをして暖かいところで1時間半〜2時間、生地が2倍ほどになるまでゆっくり発酵させる。*冬はゆっくり、夏はあっという間に発酵するので、生地の状態を見て調整する。
8.【基本の酒粕パン生地の出来上がり!】これさえ作れば、いろいろなパンが焼けます。他のパンは、この生地を1単位として作っています。

酒粕ブール

フランス語で「ボール、球体」を意味するブール。言葉どおり、丸い形をしたパンのことです。基本の酒粕パン生地を二次発酵させて焼くだけ。外側もやわらかく、中はふわもち。毎日食べたくなる味わいです。

【材料】
基本の酒粕パン生地レシピ量
植物油 少々

【基本の酒粕パン生地】1.酒粕パン生地をクッキングシートの上に取り出す。
2.生地を軽く押してガスを抜き、指先を使い、生地の端を引っぱり中央に集めるようにして丸くし、ひっくり返して整える。
3.ボウルをかぶせて、1.5倍くらいの大きさになるまで、暖かいところで30〜45分発酵させる(真冬は1時間)。*発酵時間は季節や気温によって変わるので、生地をよく見ておく。
4.オーブンに天板を入れ、天板ごと200度に予熱しておく。生地の真ん中に1本クープ(切り込み)を入れる。
5.好みの植物油を少量クープにたらし(写真はココナッツオイル)、霧吹きでたっぷり水をかける。熱い天板にシートごとパン生地をのせ、素早くオーブンに入れて25分焼く。
白崎裕子

白崎裕子 さん (しらさき・ひろこ)

料理研究家、白崎茶会主宰

オーガニックな独自レシピが人気。オンラインの料理講座「白崎茶会レシピ研究室」を開催。小麦粉を使わない『へとへとパン』(小社刊)も好評。

『クロワッサン』1087号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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