近著で50代で自宅の片づけを始めることを提唱している、整理収納アドバイザーの阿部静子さん。それには7つの理由があるという。
「まずは、体力と気力が充分ある50代のうちに始めるというのが1番目の理由。気づいたら片づけられなくなり子どもに大変な思いをさせるのを避けるため、早めのスタートを」
2番目の理由は、家族の人数やライフスタイルの変化が起こるのが50代だから。片づけは思考も整理されるので、これからの人生で何を大切にしていきたいかがクリアになる利点も。
「3番目の理由は、親の介護が突然始まる場合が多いこと。たとえ介護で疲弊しても、自分の家がすっきりしていると帰宅した時にホッとできます。50代での片づけは、負担が大きくなった時の自分を助けてくれます」
さらに、ものを減らすのは考えているより大変、というのが4番目の理由。60代になると家をサイズダウンする人も多いが、その時になって急にものを捨てようと思っても実は難しい。それを見据えて50代から徐々に家を片づけ始めるのが理想だという。
「5番目の理由は、子どもの負担を減らすため。自分がやらなければ被るのは子ども。子どもがいない場合は他の家族に迷惑がかかります」
6番目は防災。
「ものが多いと災害時に被害が大きいことは、東日本大震災で私自身が経験しました。片づけは身を守る上でも大切です。最後に老後に発生する夫の介護や孫の世話なども視野に入れて。忙しい、さらに体力も残っていない、では家の片づけまで手が回りません。50代は片づけの始め時なのです」