くらし

料理家の真藤舞衣子さんの、お酒と発酵料理を味わう滋賀の旅。

発酵食文化が根付く滋賀を中心に、注目の発酵スポットを。滋賀名物の熟鮓(なれずし)、老舗の日本酒、完全無添加の生ハムや醤油など、こだわりの味が勢揃い。
  • 文・田辺 香

(滋賀県長浜市)冨田酒造

●480余年の歴史ある酒蔵で、キレの良い辛口の銘酒を。

代表銘柄「七本鎗(しちほんやり)」は豊臣秀吉を天下人へと導いた7人の若武者〝賤ヶ岳(しずがたけ)の七本槍〞に由来する。「酸味と旨味のバランスが絶妙で料理を引き立ててくれます」

滋賀県長浜市木之本町木之本1107
TEL.0749・82・2013 
営業時間:9時〜18時 不定休

購入した「七本鎗」の酒粕で作った生地に発酵ソーセージをのせたピッツァ。

「七本鎗」は奥伊吹山系の伏流水と、地元の減農薬栽培米で丁寧に作られる。

定番の純米酒や限定の搾りたて生原酒など20種ほど(720ml1,320円〜)をラインナップ。

(秋田県男鹿市)諸井醸造

●男鹿半島に伝わる魚醤「しょっつる」を国産100%で製造。

名物「秋田しょっつるハタハタ100%」はハタハタと天日塩のみで発酵&3年熟成。「業務用(1L3,780円)を購入してエスニック料理やスープに愛用中です」

秋田県男鹿市船川港船川字化世沢176 
TEL.0185・24・3597 
営業時間:8時〜17時 第2・4土・日・祝日休

ハタハタ100%のほかに数量限定「しょっつる十年熟仙」(200ml3,240円)も。

「しょっつるで乾物を炒めて和え物にしました。優しい風味に仕上がります」

1930年創業。無添加のしょっつるを完成させるまでに10年以上、試行錯誤を。

しょっつるの仕込み樽。熟成期間が長いほど、まろやかさと芳醇さが増すという。

(山梨県北杜市)プロシュッテリア モリモト

●定期的に開催される生ハム作りのワークショップも人気。

「ワークショップに参加して生ハムを仕込むと、お店で熟成後、1年で配送してくれます。あまりに美味しく毎年2本オーダーします」。料理はコースのみでランチ6,000円、ディナー1万円。

山梨県北杜市大泉町西井出8240・3178 
TL.080・7428・2966 
営業時間:11時30分〜13時、17時30分〜21時(前日までに要予約) 日・月・火曜休

ワークショップは講習・食事代込みで生ハム原木1本につき4万2000円。

山梨県産のブランド豚と天然塩で仕込み、八ヶ岳から吹く風で熟成させる。

「生ハムとリエットとパンは自家製。鱒のカルパッチョなどどれも美味です」

(滋賀県長浜市)京極寿司

●3代続く老舗で、近江ならではの寿司を追求し続ける。

関西では珍しい本格江戸前寿司をふるまう。「カウンター席限定で、地元の旬のネタを握ってくれる『江戸前おまかせ握り』(13貫4,400円〜)がおすすめです」

滋賀県長浜市元浜町6・11 
TEL.0749・62・3265 
営業時間:11時~21時 火・第3水曜休

「夏限定で出している『稚鮎(ちあゆ)の新子(しんこ)仕立て』。毎年楽しみにしています」

脂がのった琵琶湖産の「ビワマス」は、地元の漁師や湖魚店から仕入れるそう。

店自慢の「しめ鯖」。肉厚の鯖を使った「鯖棒寿司」もあり、手土産に人気。

テイクアウト用に考案された「謹製 江戸前ばらちらし」(3,750円)。

(滋賀県長浜市)丘峰(きゅうほう)喫茶店

●自家栽培米や地元の野菜、琵琶湖の恵みで四季折々の料理を。

「季節の御膳」(1,000円)や「熟鮓御膳」(1,500円)、種類豊富な手作りケーキやドリンクが揃う。「古民家を改装した店内は落ち着いた雰囲気で、くつろげます」

滋賀県長浜市木之本町大音1017 
TEL.080・2079・4692 
営業時間:11時〜17時 火〜金曜休

「店主が手作りした鯖のへしこと、ビワマスの熟鮓は奥深い味わいでした」

採れたての野菜で作られた惣菜3品、ご飯、汁物を熟鮓とセットで楽しめる。

築350年以上。小さな出版社を兼ねた店内には滋賀や発酵食関連の本が並ぶ。

店から徒歩3分で賤ヶ岳リフト乗り場へ。頂上に登ると余呉湖が一望できる。

(滋賀県長浜市)徳山鮓(とくやまずし)

●従来の概念を覆す、まろやかな「熟鮓」目当てに食通が集う。

「10年以上前から通い、最近は月一で訪れます」。発酵料理人、徳山浩明さんこだわりの料理を昼(1万6500円)、夜(2万2000円)共にコースで提供する。

滋賀県長浜市余呉町川並1408 
TEL.0749・86・4045 
営業時間:12時〜15時、18時〜21時(要予約) 不定休

看板料理の熟鮓。徳山さんが長年研究し、臭みのない独自の味を実現させた。

酢飯にビワマスの刺身と、その卵が贅沢にたっぷりとのせられた一品。

熊肉のしゃぶしゃぶ「熊鍋」。「熊肉の甘い脂と、スープが絶品です」

余呉湖のほとりに佇む日本家屋。宿泊も可能で、1泊2食付き3万8500円〜。

「鮎の塩焼き。良質な苔を食べて育った鮎の清々しい香りと焼き目の香ばしさが広がります」

真藤舞衣子

真藤舞衣子 さん (しんどう・まいこ)

発酵研究・料理家

商品、レシピ開発やメディア等で活躍。発酵食品に造詣が深く、食育にも力を入れている。近著は『発酵美人になりませう。』(宝島社)。

『クロワッサン』1077号より

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