くらし

置いておくほど旨味が増す、目から鱗の魚の冷蔵保存術と活用レシピ。

  • 撮影・三東サイ スタイリング・矢口紀子 文・小澤水奈

【オイル漬け】

塩締めした魚は角切りに。オリーブオイル(精製したピュアオイル)を約200度に熱し、にんにくのみじん切りを入れて焦がさないよう香りを出し、魚、刻み唐辛子を加えて塩で味を調え、柑橘の搾り汁少々を加える。
油で完全に覆って保存。目安は2週間。かつお、まぐろ、いわし、さば、鮭などだしの出る魚が向く。

●おすすめの食べ方
おつまみとしてそのまま。/オイルも使ってリゾット、パスタ、チャーハンに。/ゆでたじゃがいもに、オイルとにんにく、魚をほぐして混ぜる。

魚は転がしながら火を通す。エキストラバージンオリーブオイルは熱による酸化が早いので避ける。
できたての熱々は、小鍋に移し、パンを添えてアヒージョで楽しめる! 好みのハーブを添えよう。

かつおのオイル漬けの混ぜご飯

(翌日〜2週間後がおすすめ)
旨味の出たオイルもお宝。

【作り方】
1.炊き立てご飯、かつおのオイル漬けのオイル、にんにくをそれぞれ好みの量ボウルに入れ、かつおをスプーンの背でほぐしながら、全体をさっくり混ぜる。
2.刻んだピーマンをトッピングする。

【しょうゆ漬け】

漬けだれは、まずしょうゆを味見して塩辛さを確認後、味を見ながらみりんを少しずつ加え、塩辛さがまろやかになったら、この合わせじょうゆの½量の日本酒を加える。
そこに塩締めした魚を漬ける。次第に魚の塩分も色も濃くなるが2週間は保存できる。さわら、すずき、さばなどの漬け焼きは格別。

●おすすめの食べ方
刺身用なら翌日~2日後はヅケとしてそぎ切りにして。/「塩さばの野菜いため」と同様に調理。/古漬けは焼いておにぎりの具に。

塩締めは軽く。粗塩は切り分けてからまぶし、5秒数える程度で洗う。ここでも水気はよく取ること。
「みりん風調味料や料理酒ではな く、本みりんと清酒を使いたい」。漬けだれの調合は味見が頼り。

さわらのしょうゆ漬け焼き

(翌日〜3日後がおすすめ)
焦がさず、ふっくら焼こう。

【作り方】
1.漬けだれからさわらを取り出し、ペーパータオルの上で水分をよく取る。
2.アルミホイルを一度くしゃくしゃにして広げ、片面焼きグリルの網の上に敷く。魚を皮目を下にしてのせ、焦げつかないように様子を見ながら、中火弱で八分どおり焼く。
3.返して残り二分に火を通す。
*両面焼きグリルの場合は、魚を網に直接置き、少し焼いては箸で魚の両端を交互に持ち上げ、網から身を離すことを数回くり返して焼くと、網に身がつきにくい。

上田勝彦

上田勝彦 さん (うえだ・かつひこ)

ウエカツ水産代表

漁師から水産庁勤務を経て、現在は様々な立場で、各メディアを通し、島国日本の魚食の意味や重要性、魚料理のしくみなどを発信中。

『クロワッサン』1069号より

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