くらし

インテリアスタイリスト・みつまともこさんの、飾ることを楽しむ片付けルール。

  • 撮影・津留崎徹花 文・松本あかね

もし、家の面積や収納に対してものの量が多いと、はみ出した分が「余白」に侵入する。ぎっしり隙間なく並べたり、ついちょい置きしたくなったり。そうした事態を避けるため、みつまさんのセンサーは敏感に働く。

「今はもう好きではなかったり、使っていないものが家の中にないか、常にチェックしています。好きなものって年齢を重ねて経験を積んだ分、変わっていくんですよね。5年前に買った服が似合わなくなるのと似ているかもしれません。だから高価だったものでも、思い切って手放そうと思えるようになりました」

キッチンでも食器は引き出しに入る分だけと決め、外に出すのは厳選したものだけ、それをディスプレイする感覚で配置する。みつまさんの暮らしではこのサイクルがいつも回っているから、好きなものだけに囲まれる居心地のよさと、物量も適切に保たれる好循環が生まれている。

一方、書類を収めた戸棚など外から見えない部分に関しては、無印良品のクリアファイルを利用するなどわかりやすさを重視。リビングで散らかりがちなリモコンや子どものゲーム機など、見映えのよくないものは、「表に出して飾ってもいい」と思えるカゴや箱にしまう。「『収納兼飾り』ということも常に意識しています」

見せる部分、見せない部分のメリハリをはっきりつけることも、飾りながら片づく住まいを支えるメソッドのひとつといえそうだ。

引き出しに収まらない食器は手放す。

食器類はジャンル別にカウンター下の引き出しに収めて。入らなくなった分は譲ったり処分を検討。「見えない場所にはパンパンに詰め込んでいます。なかなか減らせませんね」

素材別・色別に並べるとスッキリ見える。

ガラスはガラス、木は木など、食器や道具は素材別に分けて並べると、ごちゃついて見えない。加えて高さを揃える、色、作家ごとにまとめて置くなど応用技を用いても。

衣替えを廃して1年分の服を全て見える状態に。

左・クローゼットはイケアの引き出し収納に合わせて設計。引き出しの前面が透明なものを選び、中の状態をわかりやすく。
右・小物類は仕切りのあるトレイに分類し一目瞭然に。

みつまともこ

みつまともこ さん

ディスプレイデザイナー、 インテリアスタイリスト

ショップのディスプレイ、雑誌・書籍などでスタイリングを手掛ける。近著『小さなスペースではじめる 飾る
暮らしの作り方』(翔泳社)。https://www.mitsumatomoko.com

『クロワッサン』1065号より

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