コロナ禍ではテレワークで自宅のネット環境を使うことが増えるなど、通信費のかかり方も変化した。
その一方で、総務省からの通信料引き下げ要請によって、大手キャリアが格安プランを打ち出し、競争が激化。通信費の負担を減らすチャンスが訪れている。
八ツ井さんは、「通信費は、死ぬまでかかる費用=『一生涯費目』だから、覚悟を決めて一度ていねいに見直すと、生活コストが時間をかけて大幅に抑えられます。
もし、月に2万円の差なら1年で24万円、これから40年間の累計額では960万円にもなります」。
見直しの選択肢は、大手キャリアの格安プランか、サブブランドか、格安SIMにするか。知識がなければ、この仕組みを理解することから始めたい。
ここで「怖い」「わからない」「めんどくさい」と思ってしまうと身動きがとれなくなる。「見直すことで、この先ずっとお金が浮く」と思考を切り替え、きちんと向き合ってみよう。
丸山さんは、「ちょっとしたことでも窓口で聞きたい人は、大手キャリアの中で見直したほうがいいでしょう。
ある程度知識があって、ネットから手続きができる人は、格安SIMや格安プランを選択したりすると格段に安くなります。
私が使っている格安SIM、OCNモバイルONEの音声対応SIMカードの通信容量3GB/月コースは、月額料金990円です。自宅で仕事をしているから、通信量はあまり多くありません。通話用のドコモのガラケーは、月に3,000円くらいです」。
八ツ井さんは、自分で乗り換え先の情報を調べることを基本としつつ、詳しい友人・知人に聞くこともお勧めだと言う。
通信費全般について相談できる場所はあまりないため、複数の通信事業者の代理店をしている家電量販店などで情報収集するのも一つの方法。
丸山さんは、子ども世代はスマホに詳しいので、子どもがいる人には、親子で同じ端末にしておくことを勧めている。そうすれば、困ったときに操作方法を教えてもらえるからだ。
「具体的な見直しの手順は、自分の携帯やスマホの使い方を把握してから、その使い方に合いそうな乗り換え先の候補を複数出して、見積もりをとって比較して決めるのがいいでしょう。完璧を求めず、いかに自分が納得できるかが大事です」と、八ツ井さんがアドバイス。
「私は、楽天モバイルとY! mobileの2台持ち。Y! mobileの通信料が4,000円くらい。楽天モバイルは、2年目から使ったギガ数に合わせて通信料が決まり、無制限で使っても最大2,980円までしかかかりません」。
通信費に関しては、もはや大手キャリアでなければならない理由がなくなり、本当に安くなる環境が整ってきた。