くらし

料理研究家の口尾麻美さんのレシピで、身近な鶏肉を異国の味わいに。

部位も調理法もさまざまなバリエーションがある鶏料理。
口尾麻美さんが作り続けているこだわりのレシピをここに紹介。
  • 撮影・柳原久子 文・黒澤 彩

身近な鶏肉をスパイスで異国の味わいに。

一見、ひよこ豆のフムスのような「チェルケズ ダヴウ」は、むね肉とくるみをペーストにしたもの。れっきとした鶏料理だ。

「〝ダヴウ〟はトルコ語で鶏のことで、〝チェルケズ〟は北コーカサスの民族を指します。パンと合わせて食べますが、むね肉1枚でボウルいっぱいにできるので、余ったらサンドイッチの具にしてもいいですよ」

口尾麻美さんが、現地のレストランで出合った味。案外、身近な材料で作りやすく、ソースに加えるトルコの唐辛子も似たもので代用できる。より異国感を出したいときには、クミンを多めに入れるといいそう。

「世界で鶏肉を食べない国なんてないかもしれませんね。海外ではよく市場で生きたままの鶏が売られているのを見かけます」

ジョージア料理のタバカも、本来は丸鶏1羽を開いて焼くのだそう。日本では入手が難しいので、今回はもも肉で。重しをして焼くことで両面ムラなく焼き色がつく。レモン風味のサラダが好相性だ。

[ チェルケズ ダヴウ ] チキンとくるみのペースト

各材料をあらかじめ細かくしておき、一度に混ぜる。
スパイス香る熱々の溶かしバターをかけて完成。

【材料(3〜4人分)】
鶏むね肉 1枚(200g)
塩 小さじ1
食パンの白い部分 2枚分(ちぎる。※パン粉で代用可)
鶏肉のゆで汁(または牛乳)100ml
A[にんにく 1〜2かけ(すりおろす)、塩 小さじ1/2、こしょう 小さじ1/3、クミンパウダー適宜]
くるみ 100〜150g
オリーブ油 大さじ2
仕上げ用ソース[プルビベル 小さじ1(※トルコの粗挽き唐辛子。カイエンペッパーや韓国の粗挽き唐辛子で代用可)、バター(またはオリーブ油)大さじ2]
飾り用くるみ 適量

【作り方】
1.鍋に鶏肉、塩、鶏肉がかぶるくらいの水を入れてゆでる。火が通ったら取り出し、冷ましてから細かくさく(皮は取り除く)。くるみはフードプロセッサーでパウダー状にする。
2.フードプロセッサーに1の鶏肉、食パン、ゆで汁、Aを入れ、ペースト状にする。
3.ボウルに2を入れ、オリーブ油を入れて混ぜながら硬さを調整し、塩が足りなければ加え、器に盛る。
4.フライパンにソース用のバターを溶かし、プルビベルを入れる。香りが立ってきたら3にかけ、くるみを飾ってできあがり。

[ タバカ ] ジョージア風 鶏肉の押し焼き

カイエンペッパーの量で辛味を調節できる。
重しはスキレットのほか水を入れた鍋などでもOK。

【材料(2人分)】
鶏もも肉 2枚(600g)
A[塩適量、レモン汁 大さじ1、オリーブ油 適量]
すりこみ用[パプリカパウダー 小さじ1、カイエンペッパー 少々、コリアンダーシード 小さじ1〜2(砕く)、にんにく 1かけ(みじん切り)
塩 小さじ1(肉の大きさによって加減)、砂糖 ひとつまみ]

【作り方】
1.鶏もも肉を開いて、Aに1時間ほど漬ける。
2.1の肉の水分を拭き取り、すりこみ用のスパイス等をまんべんなくまぶす。
3.フライパンを熱し、2の肉を皮目を下にして入れ、オーブンシートをかぶせた上に重しをして中火で押し焼きにする。
4.焼き色がついたら弱火にして、両面を焼く。
5.皿に盛り、好みでサラダを添える。

[ ジョージア風サラダ ]付け合わせ

【材料(2人分)】
トマト 1個(食べやすい大きさに切る)
きゅうり 1本(厚めの輪切り)
コリアンダーリーフ 大さじ2(刻む)
A[塩 小さじ1/2、レモン汁 大さじ1〜2、オリーブ油 大さじ2〜3]

【作り方】
ボウルにトマト、きゅうり、Aを入れて混ぜる。仕上げにコリアンダーリーフを入れ、ざっくり混ぜてできあがり。イタリアンパセリ、ミント、バジルなど好みでハーブを加えてもいい。

口尾麻美

口尾麻美 さん (くちお・あさみ)

料理研究家、フォトエッセイスト

世界を旅して学んだ料理をレシピ化し、書籍や料理教室でその魅力を伝える。近著『まだ知らない 台湾ローカル 旅とレシピ』など。

『クロワッサン』1052号より

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