くらし

太らない、疲れない。おいしく摂ろう、タンパク質!

「主菜に手のひら1枚分の肉を」とは、たびたび耳にするフレーズ。成人に必要なタンパク質量の目安だけれど、年々、負担という声も。そこで頼りになるのが、卵・鶏肉・豆腐。調理法を選ばず、どんな味にも変幻自在。飽きないから、朝昼晩に食べられる。「タンパク質は、毎食無理なく」がこれからのキーワードです。
  • 撮影・青木和義、小川朋央、黒川ひろみ 文・長谷川未緒

タンパク質はすべての基本。心身の不調は不足のサインかも?

タンパク質は筋肉や血管、臓器、肌、骨、髪、爪などに主要な成分として存在する、わたしたちの体づくりに欠かせない栄養素だ。体の機能を調整するホルモン、酵素、抗体などの材料でもある。

「幸せホルモンといわれるセロトニンもタンパク質から作られます。セロトニンは睡眠ホルモン・メラトニンの原料でもあるため、タンパク質が不足すると、筋力が衰えて太りやすくなり、肌ツヤが悪くなるだけでなく、気分の落ち込みや睡眠の質の低下など、メンタルにも影響を及ぼします」と語るのは、管理栄養士の大島菊枝さん。

40〜50代のゆらぎ世代が、更年期のせいと思いがちな疲労感や不眠、心のアンバランスといった不調も、じつはタンパク質不足が一因となっている可能性がある。日頃の食事の内容を見直す必要がありそう。

卵、鶏肉、豆腐なら、調理しやすく、効率よく摂取できる。

栄養素の吸収率が下がり、筋肉などを作る合成力も低下してくる大人こそ、充分な量のタンパク質を摂取することが必要だ。

「女性の目標摂取量は1日57〜88gといわれています。まとめて摂るより、朝・昼・晩に分けて、食材を変え、分散させて食べると、効率よく吸収できます」

中でも卵、鶏肉、豆腐は価格が手頃で、料理の幅が広く使いやすい。

「卵はそれひとつで栄養価が高く完璧な食材。鶏肉は皮に脂肪が集中しているため脂質をコントロールしやすく、美肌と免疫力に必要なビタミンAも豊富です。豆腐は消化がいいのが利点ですね」

タンパク質含有量の目安は、卵なら1.5個で約10g、鶏肉100gあたり20g程
度、豆腐は100gにつき7gほど。献立を考えるときにも役立つので覚えておこう。

タンパク質を摂ることは未来への投資。 毎日おいしく食べる習慣を。

長引くコロナ禍で栄養の偏りやタンパク質が不足する傾向がある。

「メニューがワンパターンになりがちなときや、忙しいときは、上手に惣菜を活用してタンパク質を補うようにしてください。手羽元などを使ってスープを作り、常備しておくのもおすすめです」

汁にタンパク質が溶け出すため、食欲の湧かない日、疲れが溜まっているときなどに利用するといい。

「ビタミン不足は口内炎ができるなどしてすぐにわかりますし、摂れば比較的早く回復します。一方でタンパク質は、不足の弊害がのちのち骨粗鬆症や筋力不足という形で出てくる。10年後20年後も健やかに過ごせるよう、主菜と副菜にバランスよくタンパク質を取り入れ、今から意識して食べる習慣をつけたいですね」

大島菊枝

大島菊枝 さん (おおしま・きくえ)

管理栄養士、フードコーディネーター

時間栄養学の観点から、美容や健康に効果的な食事を提唱。著書に『一生太らない食べ方習慣朝ごはんはすごい』(ワニブックス)など。

『クロワッサン』1052号より

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