くらし

人付き合いの悩みに。まずは自己分析法で自分の「本当の顔」を知ろう。

  • イラストレーション・黒猫まな子 構成と文・板倉みきこ

演じている〝顔〟ではなく、本当の〝顔〟を知るべき。

設問の結果、導き出されるのは6つのキャラクター。自分のキャラがわかっても「そんなところもあるけど」などと、しっくりこない人もいるかもしれない。また、複数のキャラが同数該当した人もいるはず。

「人は誰しも、メインの“顔”とそれ以外の“顔”を持っているからです。強弱のバランスもそれぞれで、職業や立場に応じて使い分けている人も多いでしょう」(小高さん)

でも、一番大切にしたいのは、持って生まれた性格=気質だ(下図)。

「性格は4つの層で構成されますが、本質的なものが“気質”。その周りに幼少期に刷り込まれ、育った環境によって作られる“気性”があり、自分を取り巻く環境とどう接するかで育まれてきた“習慣的性格”、最後が社会に出て培われる“役割性格”です」

年齢を重ねるほど、周りから求められる役割を演じる時間が増え、本質的な自分を見失いやすくなるもの。

「選んだキャラクターが、気質ではない人もいるでしょう。居心地よくいられるのは本当はどの“顔”か、考えるきっかけにもしてください」

【4つの層で構成される性格】

その人の土台となるのが"気質"や"気性"。"習慣的性格"と"役割性 格"はコントロールして変えられる。

キャラクター1

●相手の感情に振り回されない理性派。

【キャラクター】
感情にあまり流されず、理性的に物事を判断でき、真面目で思慮深いタイプ。集中力があり論理的な思考をするので、仕事や家事をテキパキこなせるでしょう。脳にエネルギーが集中するので、疲労も頭に溜まりやすい傾向が。

【人付き合いにおける長所】
自分なりの考えはしっかりあるけど、それを押しつけることはせず、相手の考えも与する思慮深さがある人。他者との距離の取り方も上手。この人には安心して物事を任せられ、落ち着いて話ができる、と評価されているでしょう。

【人付き合いにおける短所とアドバイス】
コミュニケーションを取るのに時間がかかるタイプ。物事を客観視できるのはいい点だけど、考えすぎて疲れを溜めがち。思考がグルグル巡ったら、その場を離れて違うことをするなど、思考を一旦止める方法を身につけて。

キャラクター2

●裏表がない性格のムードメーカー。

【キャラクター】

ミスをしてもどこか憎めない、愛嬌があるタイプ。感情を素直に前面に出すことが多いので、心の浮き沈みが周囲から手に取るようにわかるでしょう。自分の心の健康状態を知るには、食欲の有無がバロメーターとなります。

【人付き合いにおける長所】

誰とでも上手にコミュニケーションを取り、計算しない性格なので、男女どちらからも好意を持たれやすい人。勘も鋭く、無意識にその場の状況を読んで和ませられる、ムードメーカー的役割を担うことが多いでしょう。

【人付き合いにおける短所とアドバイス】

自分のマイナス感情を認めず、苦手なことから距離を置いてしまう傾向が。周囲からは無責任と取られることもあるはず。モヤモヤしたことは書き出してみると、心の整理がつき、人付き合いにも正面から向き合えるようになります。

キャラクター3

●ガッツあふれるアクティブなリーダー。

【キャラクター】

快活で明るく、ガッツにあふれた行動力が持ち味。動きながら考え行動することで、ストレス発散もできるタイプ。考え方は合理的で、無駄を嫌い、常にスピード勝負。執着心はあまりなく、短時間で結果が出ることを望みます。

【人付き合いにおける長所】

判断力とスピードが持ち味で、集団の中ではリーダー向き。周囲を巻き込むパワーがあり、率先して前へ進んでいきます。損得勘定がしっかりできるので、負けるとわかった勝負からはさっさと撤退。気持ちの切り替えも上手です。

【人付き合いにおける短所とアドバイス】

メリットがないと感じるとスパッと断ち切るドライさが、人付き合いにおいては損をすることもありそう。周囲はあなたほどスピーディに物事を判断できないこと、〝グレー〞の考えがあることも理解できると、ひと回り成長できます。

キャラクター4

●唯一無二の世界を創り出す夢想家。

【キャラクター】

独特の美学を持っていて、豊かな発想力が魅力のクリエイタータイプ。波瀾万丈な人生に魅力を感じ、思いつきで行動してしまうことも多々。少数精鋭のチームだと、リーダーシップを発揮します。猫背気味で、呼吸が浅くなりがち。

【人付き合いにおける長所】

自分の世界観を優先するので、コミュニケーション力は高くないほうですが、独特な魅力に惹かれる人も多く、周りが何かとサポートしてくれることも。場を支配するカリスマ性があるので、才能が開花すると脚光を浴びるでしょう。

【人付き合いにおける短所とアドバイス】

自分から人の輪に入っていくのは苦手なタイプ。無理に他人に寄り添う必要はないけれど、自分と違う考えが多数派なのだと受け止める必要はあり。上手な距離を保たないと孤立してしまうので、つかず離れずを意識しましょう。

キャラクター5

● “みんなのため”に頑張って輝く人。

【キャラクター】

責任感が強く、人のために働くことに生きがいを感じる努力家。自分のペースはわかっていても、人に寄り添うことに注力しがちで、相手の気持ちを受け止めようと、オーバーリアクションになるタイプ。下半身が太めになる傾向も。

【人付き合いにおける長所】

働き者で縁の下の力持ち的存在のあなたは、周囲からの信頼も厚く、仲間内ではなくてはならない存在。面倒見がよく、悩みを相談されることも多いでしょう。人から「ありがとう」と言われることが生きるパワーに変わります。

【人付き合いにおける短所とアドバイス】

自己犠牲がすぎると、自分の心や体をないがしろにしてしまいそう。心身にトラブルが出てやっと気づく、なんてことも。自分を大事にすることで、相手の本心がわかることもあります。体や心の声に、耳を傾けてみましょう。

キャラクター6

● 選んだ道を極めるパワーの持ち主。

【キャラクター】

本能的な勘に優れ、その道を貫き通す職人気質なタイプ。いいな、と思ったものに飛びつく速さがありますが、興味がないものには全く動かない両極端な面も。興味の対象が人に向きやすい人は、世話焼きになるパターンも。

【人付き合いにおける長所】

こだわりや執着心がうまく働けば、何かを生み出すパワーは絶大。周囲からもあなたのひらめきを評価され、独特の世界観を尊重されるでしょう。〝ギブ&テイク〞が基本の考え。仲間から必要とされることで、さらに能力を発揮します。

【人付き合いにおける短所とアドバイス】

執着心と承認欲求が強いあまり、相手に120%の力を注ぎ、望んだとおりのリアクションが返ってこないと落ち込みがち。相手にもタイミングがあることを知り、自分の時間も大事にすると、人や物に注ぐ力の加減が取れるようになります。

小高千枝

小高千枝 さん (こたか・ちえ)

公認心理師

『クロワッサン』1050号より

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