A.自分の役割を理解した上で、相手を受け入れる度量が必要。
「人は誰しも、他者に受け入れられたいという願望がありますが、大人なら他者を受け入れる度量も必要です。
無理に相手に寄り添わなくてもいいのですが、自分を丸ごと受け止めてほしいと思うのは子どもの考え。
もちろん、自分らしくありのままでいることは心の安寧に必要です。でも“ありのまま”とは“そのまま”ではありません。
対人関係を円滑に育むには、自分の状況や役割を理解、認識し、周りと調和した上で、自分らしさをどう出すか、セルフコントロール力が求められるものだと思います」(公認心理師・小高千枝さん)
若い頃は価値観や社会的背景など、自分と属性がほぼ変わらない、小さなコミュニティの中で人付き合いをしていたが、大人になるとそうはいかず、意思疎通がうまくいかないことも多い。
「他人の些細な一言に傷つきやすい人ほど、相手に好意を持たなければと考えていることが多いです。苦手な人がいるのは当然なので、最初から好意を持ちすぎず、グレーな感情をイメージして、ある意味ドライに対人関係に臨んでほしいです。大人のコミュニケーションは、相手の言動全てに反応しなくても成り立つものです」(HSPアドバイザー・Ryotaさん)
ただ、年を重ねるほどコミュニケーションの基本を忘れがち、とも。
「相手を尊重して心を開いてもらい、自分の考えや思いを丁寧に伝えることが基本。親しい相手や、年下と接する時ほど忘れないでほしいです」(社員教育コンサルタント・朝倉千恵子さん)