くらし

フライパンで簡単に作る「おせち3種盛り」。【井澤由美子さんのレシピ】

いつもの縁起もの素材を使いながら、新感覚で簡単にできるおせち料理です。
  • 撮影・MEGUMI 文・知井恵理

定番の酒肴「おせち3種盛り」をフライパンで簡単に作る。

「定番の食材を使えば、伝統的な味付けではなくてもお正月らしい見栄えと雰囲気が楽しめます。どれも簡単で日持ちもする。味付けのベースも変えているので食べ飽きません」

田作りは好みのナッツと小魚でスパイシーに仕上げる。食感が楽しい黒豆は炒り豆にすれば調理も短時間で、香ばしい食感も楽しめる。数の子は白味噌と酒粕の漬け床に漬けて。

「簡単な料理も、笹の葉を敷いたり漆器に盛りつけるだけで、充分お正月料理になりますよ」

1.炒り黒豆の梅黒蜜

老化防止の栄養分を含む黒豆は、梅や黒酢などの体にいい調味料でさっぱりとした甘さに。炒り豆は簡単でポリポリした食感も楽しい。

【材料(作りやすい分量)】
黒豆 150g
A[水1カップ、しょうゆ・黒酢各大さじ2、黒糖80g、梅干し(大)1個]

【作り方】
1.黒豆を2時間〜一晩水に漬けてザルに上げ、よく水を切る。
2.1をフライパンに入れ、中弱火でフライパンをゆすりながら乾煎りする。皮が弾けて白い部分が出てきたら火を止め、粗熱が取れるまでそのままおく。
3.小鍋にAを入れて、中火で13分ほど煮詰める。
4.2を中火で再加熱し、3の梅黒蜜を加えてからめる。

2時間〜一晩で豆を戻す。黒豆茶にしても。柔らかめが好みなら長く漬ける。
水を切った黒豆をフライパンに入れ、皮が弾けて乾燥するまでよく炒る。
黒豆を再加熱して梅黒蜜を注ぎ、フライパンをゆすってからめる。

2.大人の数の子

酒粕と白味噌を混ぜて漬けるだけと超簡単。たらこを一緒に漬けると旨みが倍増するのでお忘れなく。はんぺん漬けもぜひ試して!

【材料(作りやすい分量)】
練り粕1カップ
白味噌1カップ強
数の子・たらこ各適量
はんぺん1枚

【作り方】
1.練り粕と白味噌が均一になるようによく練り混ぜる。
2.数の子は塩抜きして水気をふく。はんぺんは4等分に切る。
3.1に2とたらこを漬ける。2〜3日漬けるとさらに熟れた味になる。

数の子は塩水(分量外)につけて塩抜きをし、薄皮を取り除いておく。
井澤さんは熟成させた酒粕の練り粕と京都『山利』の京白味噌を合わせている。
重ねず並べて漬けると味が均一に。右下はガーゼに包んで漬けたはんぺん。

3.仙人田作り

気力体力を向上させる「仙人の食べ物」と呼ばれる松の実やくるみ、金ごまを合わせて唐辛子でピリ辛に。メイプルシロップ風味。

【材料(作りやすい分量)】
田作り(ごまめ)50g
くるみ 50g
松の実 50g
金ごま 20g
A[輪切り赤唐辛子1本分、しょうゆ大さじ2、メイプルシロップ大さじ2、酒大さじ2]

【作り方】
1.田作りを耐熱皿に広げ、ラップをせずに電子レンジ(600W)で3分加熱。
2.くるみを手でくずしながらフライパンに入れ、ゆらしながら中弱火で1分ほど乾煎りする。次に、松の実を加えて1分乾煎りし、ごまを加えてさらに1分ほど乾煎りする。
3.2に1を入れて混ぜ、フライパンの片側に寄せる。空いたスペースにAを入れていったん煮立ててから、全体をからめる。
4.3を熱いうちにクッキングペーパーに広げて冷ます。

くるみを炒めてから松の実を炒める。焦げやすいごまは最後に。
ナッツの香ばしさが失われないよう、調味料を煮立てたら手早くからめる。
熱いうちに、さっとペーパーの上に重ならないように広げて冷ます。
井澤由美子

井澤由美子 さん (いざわ・ゆみこ)

料理家

旬の食材の効能と、素材の味を活かした料理を提案する。薬膳料理や発酵食レシピが多数。近著は『体がよろこぶお漬け物』(誠文堂新光社)。

『クロワッサン』1035号より

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