くらし

インスタで83万人以上がフォロー、bonponさんのデジタル生活とその歴史。

インスタグラムで83万人以上のフォロワーがいるbonpon(ボンポン)さん。共に60代の夫婦はグレイヘア、眼鏡もまたおそろい。二人でいるからこそ完成するといっても過言ではないコーディネートで仲睦まじく歩く姿は、遠くからでも人目をひく。この撮影中も通りすがりの母子から、撮影を求められ、気さくに応じていた。外出すれば、必ずといっていいほど声をかけられるそう。
  • 撮影・黒川ひろみ

bonponさんの場合

bonpon511】インスタグラムフォロワー/83.4万人

bonさん(夫)とponさん(妻)が2016年12月に始めたアカウント。色や柄など、どこかしら夫婦でリンクさせた装いが評判となり、『セカンドライフ、はじめてみました』『bonponのプチプラ着こなし便利帖』など、著書が出版されるまでに。511は二人の結婚記念日。

ネットを通じ、現実の世界もまた広がりました。(ponさん)
夫婦二人だけの生活で声をかけられるのはうれしい。(bonさん)

ponさん(以下、p) 次女にすすめられて軽い気持ちでインスタを始めたんです。こんなに注目してもらえるとは思っていなくて、まさに青天の霹靂。

bonさん(以下、b) 私はただ一緒に写っていただけなんですけど(笑)。あるとき、我々のインスタが海外のメディアに取り上げられまして。それをきっかけに、2017年に日本のヤフーニュースでも紹介されたんです。

p そこからはあれよあれよ、とフォロワー数が増えて……。

b 本まで出させてもらって、本当に思いがけないことでしたね。老後にこんな楽しいことがあったのか、と。

好奇心旺盛な二人の デジタル生活とその歴史。

(左)妻 / ponさん 秋田で専業主婦として2人の娘を育てていた20年以上前、夫が仕事用に買ったパソコンに初めて触れる。そのおもしろさに、独学でHTML言語を学び、ホームページを作成するまでに。「ネットを通じて日本中にお友だちができて、それは楽しかったですねえ」(右)夫 / bonさん 東京の美術系専門学校で妻と出会い、結婚。郷里・秋田の広告代理店を定年退職したのを機に仙台へ引っ越してきた。グラフィックデザイナーだったことから、パソコンやiPadの操作はお手のもの。ただし「新しいことはponが見つけて教えてくれるんです」。

bonponさん夫妻に思いもよらない未来をもたらしたのは、インスタグラム。二人はデジタル化の波をどう乗りこなしてきたのだろう。

b 仕事柄、早い段階で、勉強しなきゃ、とパソコンと小さなプリンターを買ったんです。昔はそういうものが高くて、ソフトも合わせて100万円以上。

p なのに、仕事が忙しくて本人はほとんど家にいなかったものですから、私が主に使ってました。最初はもともと入っていた子ども用のお絵かきソフトから。何度もフリーズさせましたけど、もう、おもしろくって!

b 私は会社でフォトショップなど必要なソフトを使うくらい。でも、ponはウェブ関連に足を踏み入れて、どんどん上達してましたね。

服を作りませんか、と企業からコラボレーションの誘いも。「好みの服が作れるなんて貴重な体験ですよね」(p)。この日の服がそう。

初めて触ったパソコンの虜に。ネットで世界は飛躍的に広がった。

p インターネットにつなげたんです。ISDNという、今から思えばすっごく遅い回線で、夜はつながらなくなるの(笑)。ホームページを作ったりもしましたね。2001年にはGLAYのファンサイトを立ち上げました。

b 小学生だった娘の影響でね。

p そのころ私、40代だったのかな、近所のお母さん友だちの中には、GLAYやパソコンに興味ある人がいなかったし、おばさんが入れそうなファンサイトもなくて。だったら自分で作っちゃおう! と。そしたら、待ってましたという感じで、大勢の方が見つけてくださった。急に世界が広がりましたね。夜な夜なチャットできる友だちが全国にできたんです。大阪で100人くらいのオフ会を開いたこともあります。

b 当時は、そんなことになってるなんて全然知らなくて。子どもと一緒にライブに行く、オフ会もする、とは聞いていたけれど、規模感まではわかっていなかった。まさか100人とは(笑)。

p そんなに人数が増えるとは私も思わなかったんですけどね。その後、ツイッターやフェイスブックのサービスが始まったら、すぐ登録しました。一方、簡単にブログを作れる時代になったので、サイトは閉めました。

b そして、インスタを始めるわけですが、今はパソコンよりスマホですね。

p 写真も住所録も全部スマホの中。なくしたら大変だけど、クラウドに保存してるから、最悪、落としても(笑)

今日の服装を撮影!
ponさんのスマホを三脚に据え、セルフタイマーで連写。「若い子みたいにかっこよくポーズをとれないから、いつも直立不動」(p)。映り込んだ邪魔なものは即座にアプリで消す。
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