くらし

【和田裕美のお悩み相談】職場の後輩との接し方がわかりません。

外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収めたキャリアを持つ和田裕美さんが読者の悩みに答える連載。今回は職場の年の離れた後輩との接し方に悩む女性からの相談です。

<お悩み>

同じ職場の20代の後輩が私のことで上司に相談していることを偶然知ってしまいました。私の後輩に対する態度がパワハラに当たると感じたようです。
正直、参りました。私がその後輩と同じ歳だった頃は上司からもっと強く当たられることもたくさんありましたし、私に全く非がないとは言えませんが「そんなことで?」と思ったのが正直な気持ちです。
なるべくその後輩とは距離を置きたいと思う一方で、そんなことではただでさえ業務量が多いのに回らなくなってしまいます。
最近の若い子って仕事に対して後ろ向きというか、頼りにならない子が多いと思いませんか?
(てっぴー/女性/40代)

和田裕美さんの回答

てっぴーさん、こんにちは。

そうですよね。
こういう悩みはけっこうどこの業界の方も同じ。
わたしも同じようなことを
陰で言われたことがあります(笑)
必死で注意して気付いてもらおうとしたつもりなんですが、
全然伝わってなくて悲しかったです。
まさに「そんなことで?」ですよね。
ああ、わかるわかるわかるわ、わかる。
と、ひとしきり共感したうえでわたしの意見を言いますね。

てっぴーさんは、きっと仕事に前向きで
真面目で一生懸命で自分にも厳しい人ではないですか?
そしておそらくすごく仕事ができる人です。
ここでは「最近の若い子」が対象になっているけれど
ほんとうはぐうたらな上司や、さぼりがちの同僚にも
違うシーンで同じように思ったことがあるかもしれない。
そしてイライラしたかもしれない。

それは仕事ができる人の宿命です。
自分の「普通」が相手のそれではない。
つまり相手からしたらかなり上のほうにある基準になります。

「普通はもっと前向きでしょ?」
「普通はもっと勉強するでしょう?」
「普通はもっと早くお礼するでしょ?」
ここで思ってしまう「普通」は自分の常識です。
もしかしたら相手の「普通」はだいぶ違うかもしれません。
おまけに時代が変わると
育った環境も考え方も随分と変わってきますから
なおさら温度差が生まれてしまいます。

わたしはてっぴーさんと同じように感じてしまいますが
怒ってもイライラしても
「なんで?」と不快になっても
自分の感情が乱れるだけなので
「わたし、この人と同じ立場だったなら
 前のめりにできたかな?もっと野望を持てたかな?
 厳しさに耐えることができたかな?」と
相手の立場になって考えるようにしています。

そして、
「そうだよな。なんでもある便利な時代に生まれて
 小さいときからメールやラインでやりとりしていたら
 電話かけなれてないよな。自分とは違うな」などを
いったん理解するようにするのです。
そうするとイライラが小さくなって感情が治ります。

そして(ここ大事)
相手の立場を理解してから注意をすると
伝え方が変わるのです。
言い方も言葉も変わるのです。

正直、告げ口までされてむかつくし
距離を置きたい気持ちも
わかるわかるぜったいにわかる〜〜という共感度マックスなんですが
表現を変えて後輩さんにアドバイスをしてください。

「なんとなく耳に入ったんだけど
 わたしの前の言い方きつかった?ごめんね。
 わたしあなたと同じくらいのとき
 ずっと怒鳴られて育ったので
 そういうのが普通と思っているところがあって
 普通に言うだけできつくなるかもしれないです。
 嫌いで言っているわけじゃないのわかってください。
 さて、この仕事なんだけどこういう目的でこういう期日に
 必要なのであなたの力を貸してほしいです。
 そのためにこれをしてください」

こんなこと言うのも腹が立つと思うけれど
何倍も上いって、結果的に仕事をしてくれる後輩に
なってもらったほうがいいように思うのです。

共感しつつも、期待するような答えになってなかったらごめんなさい!
でも、周囲を巻き込んでよい結果をだしてください!!!

和田裕美(わだひろみ)●作家・営業コンサルタント。京都生まれ。京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授。書籍だけでなくラジオや会員サービス「パワースクール」など各種メディアで情報発信中。代表作に、『人に好かれる話し方』、『世界No.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』『人生を好転させる「新・陽転思考」』等。新刊に『稼げる技術』(ダイヤモンド社)、『タカラモノ』(双葉文庫)など。
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