昭和3年生まれ。生家の焼失により女学校を諦め、金物問屋に勤めながら文学修業し、35歳で芥川賞を受賞。軽妙な大阪弁にのせて男女の機微や女性の生き方を綴り“お聖さん”と親しまれた。
「“女の子の味方をする”と決めて、昭和の女の人生を書き続けてきた。作品には田辺さんの人生がそのまま詰まっています。“日常って、そんなにたやすいもんやない。それでも腐らんと生きていきましょ”という見事な生き方。人生の辛酸をなめてシビアな現実を知り尽くした人だからこその甘さがあり、読みやすいけれども読後感はしみじみ滋味深い。きっと心に届くものがあると思います」