くらし

『自分を励ます本』著者、マドモアゼル・愛さんインタビュー。「今の状況をよしとすれば幸せが訪れます」

  • 撮影・山本康典(著者)

「今の状況をよしとすれば幸せが訪れます」

マドモアゼル・愛さん

「もう20年以上前に書いた本なんですよ。心理的な洞察を描くことは『テレフォン人生相談』の加藤諦三(たいぞう)先生くらいしかやっていない時代でした。
当時、出版社さんから何か出しませんか? と言われて書いたものが、そのあとたくさん出てきた“女性向けの心のエッセイ〟というジャンルを作ったきっかけになったはずなんですよね」

自分のことを好きか嫌いかで、私たちは自分に対する態度を決めているという。
自分を愛しながら生きていく人と、毎日毎時自分を嫌いながら生きていく人とでは、その人生は大きく変わっていく。

自分の嫌いなところや弱いところを許してあげること、つまりありのままの自分と和解をすることで、よくない未来を恐れる気持ちがなくなり、今を全力で生きられるようになる。体を粗末にしたり、過去を悔やむこともなくなっていく。

「人間というのは、自分自身に納得する、自分自身を受け入れる、今の状況をよしとする、ということをしないかぎり、幸福感というものが訪れないようになっているんです。
自分の運命や自分自身を受け入れること抜きに、心の安寧は得られない。
未来ばかり見ている人は、二重の意味で損しているんです。
今、種を植えることもできないし、昨日植えた種がどうなっているか掘り返すような、そんな人生になってしまうわけなんですよ。
つまり未来に幸せになる、ではなく、今幸せになるしかないんです。将来を幸せにすることは今できなくて、今幸せになることはできますから」

太陽は生命力を与える星、月は生命力を奪う星。

巻末付録として「最新!占星術の神秘と十二星座のお話」というエッセイがついている。
占いブーム真っただ中だった1980〜’90年代、少女たちから圧倒的人気だった雑誌『My Birthday』に星占いのレギュラーページを持ち、カリスマ的な人気を誇った。
当時のエッセンスを感じられる星座の解説と、新たに「月星座」に関する解説が加筆されている。

占星術の世界では長い間、人の社会的人生は太陽星座の特徴どおりに、人の本質的性格は月星座が持つ性質どおりに、とされてきた。
ところが昨年の著書『月の教科書 占星術が誤解していた、この星の真相』で、月星座が持つ性質はむしろ本人に欠損するものであるという、長年の研究に基づく学説を打ち立て、西洋占星術愛好家の間で話題になった。

「太陽は生命力を与える星、月は生命力を奪う星。占星術をわかっている人だったら、そのとおりだと思うんじゃないかな。
僕が言っていることはこの30〜40年間何も変わっていないんですよ。考え方が意外に現実的だから、本を読んだ人もブレることなく現実に着地できるんです。だから、ずっとついてきてくれる人たちがいるのかもしれません」

YouTuberとしても活躍中、チャンネル登録者数はもうすぐ14万人に達しようとしている。

どんな状況にいても夢と希望を捨てなければ、運命は私たちに従ってくれる。自分を励ますエッセイの決定版。『自分を励ます本 あなたらしい“幸せ”をつかむ一番の方法』 三笠書房 1,540円
マドモアゼル・愛

マドモアゼル・愛 さん (マドモアゼル・あい)

西洋占星学者

1950年、東京生まれ。1970年代から日本を代表する西洋占星学者。ラジオ『テレフォン人生相談』の回答者としても長年活躍中。近著に、『自分の素晴らしさに気づいてますか』『宿命を知り、活かす恒星占星術』など。

『クロワッサン』1079号より

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