くらし

東京で今訪れたい個性派書店とミニシアターはここ!

街そのものが表現体のような東京。今訪れたいカルチャー発信地、ミュージアム、書店、ミニシアターはここ!
  • 撮影・中村ナリコ、黒川ひろみ 構成&文・松本あかね

気鋭の個性派書店に聞いた、今おすすめの本。

[ 高円寺]蟹ブックス

●女性店主の深く柔らかな選書の妙。

フェミニズムに視点を当てた選書にも定評のある花田さん。

商店街のはずれに先月、小さな書店が開店した。店主は花田菜々子さん。女性のための本屋、『HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE』の店長として話題を呼ぶ書棚を作ってきた。

「SNSやテレビを観ているだけでは考えがまとまらない事柄も、一冊の本を読む時間の中でなら考えを深めていくことができる。読書は自分と向き合うきっかけです」。

書棚を眺めるだけで心が求めるものに気づかされる。

蟹ブックスがおすすめ! この秋、読みたい 2冊

苦しい人間関係は切り離していいと諭す。著者の体験談も読み応えが。

「人間関係を半分降りる」鶴見 済 著(筑摩書房)

学者2人の往復書簡。途中、病が発覚、迫真のやりとりが心を打つ。

「急に具合が悪くなる」宮野真生子 磯野真穂 著(晶文社)

東京都杉並区高円寺南2・48・11 堀萬ビル2階
TEL.03・5913・8947
営業時間:12時~20時 不定休

[日本橋]誠品生活日本橋(せいひんせいかつにほんばし)

●台湾発進化系書店が日本に初出店。

長さ30メートルの書棚の裏側に、座って本を読める憩いのスペースが。

『誠品生活』は本と暮らし周りのショップが融合した台湾発の〝百貨店型書店〞。3年前、中華圏以外では初めて出店した『誠品生活日本橋』は書店と文具、食材市場、飲食店などが1フロアに集合。その一角を占める『誠品書店』は日台のスタッフによる選書コーナーをはじめ、社会、文化、政治経済に及ぶ台湾の今がわかる書籍が充実。人文系にも力を入れ、東アジアの海外文学の良書が揃う。

台湾へ行った気分が味わえるガイドブック、料理本がずらり。

誠品生活日本橋がおすすめ! この秋、読みたい 2冊

台湾を愛する作家の紀行文第2弾。自ら撮影した写真も旅情を誘う。

「美麗島プリズム紀行」乃南アサ 著(集英社)

日台の両親を持つ主人公が日常感じる、小さな痛みの行き着く先は?

「魯肉飯(ルーローハン)のさえずり」温 又柔 著(中央公論新社)

東京都中央区日本橋室町3・2・1 COREDO室町テラス2階 
TEL.03・6225・2871
営業時間:11時~20時 不定休(施設休館日に準ずる)

[神保町]PASSAGE by ALL REVIEWS(パサージュ バイ オールレビューズ)

●一棚一棚に個性あふれる、神保町の共同書店。

パリ中心地のパサージュ(アーケード)を模した店内。

仏文学者・鹿島茂さんが主宰する書評サイト「ALL REVIEWS」が運営する共同書店。パサージュを模した店内にずらりと書棚が並び、単行本が20冊程度収まるサイズの一棚一棚を「棚主」が所有。

書評家・豊﨑由美さんは書評のために読み込んだ本を出品。付箋がびっしり。

思い思いに本を並べ、ポップを立てたり、小道具を飾ったり、まるで世界一小さな本屋さん。棚主には書評家や作家もいれば、一般の人も。総勢約300人の本好きの熱量に引き込まれそうだ。

「ラブレー通り」に小説家・島田雅彦さんの棚を発見。人類学や社会学の本も。

PASSAGE by ALL REVIEWSがおすすめ! この秋、読みたい 2冊

ベルリンの新邦訳作品集。読書家の女優・中江有里さんの棚から。

「すべての月、すべての年」ルシア・ベルリン 著 岸本佐知子 訳(講談社)

二・二六事件前夜を題材に、実験的な創作技法を駆使した長編。

「雪の階(きざはし)」奥泉 光 著(中央公論新社)

本好きの街、神田神保町のすずらん通りにある。

東京都千代田区神田神保町1・15・3
サンサイド神保町ビル1階 
営業時間:12時~19時 
不定休
※キャッシュレス決済のみ。

[荻窪]Title(タイトル)

●イベントや本のセレクトに惹かれて全国からファンが来る独立系書店の雄。

築80年余の元精肉店だった古民家を改装。2階のギャラリーではほぼ2〜3週間ごとにイベントを開催。

荻窪の街角に佇む店舗には週刊誌や漫画もあれば、文学、サイエンス、哲学、ZINEまで幅広く並ぶ。書棚、ギャラリー、カフェを行き来しつつ長く滞在する人がほとんど。「だんだん、自分の家で好きな本を読んでいるのと同じ心持ちになってくるのでしょうね」と語る店主の辻山良雄さんは書店経営やエッセイなどの著作も多数。近所の小学生から日本全国、台湾や韓国からも訪れる人が絶えない。

辻山さんは大型書店リブロに勤務の後、6年前Titleを開いた。

Titleがおすすめ! この秋、読みたい2冊

寄せられた悩みやお題に対し、人気の歌人が詠む歌が普遍性をもって響く。

「あなたのための短歌集」木下龍也 著(ナナロク社)

コロナ禍を通して、自然と人間の共生の道を医師である著者が問いかける。

「いのちの居場所」稲葉俊郎 著(扶桑社)

店舗の奥にあるカフェではコーヒーとワイン、プリンなど甘いものも。

東京都杉並区桃井1・5・2
TEL.03・6884・2894
営業時間:12時~19時30分(日曜は19時まで。カフェのL.O.は18時まで)
水曜・第3火曜休

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