からだ

“のばしゆらし体操”で姿勢から体をリセットする。

アラフォーからの体形や体力の維持に必要なのは、きつい運動ではなく、正しい姿勢を覚えること。
毎日わずか3分。日々の生活に無理なく取り入れられる手軽な体操を紹介。
  • 撮影・青木和義 文・寺田和代

橋本はづきさん 
はしもと・はづき ヨガインストラクター
1972年生まれ。ヨガスタジオ「アウェイク鎌倉」主宰、女性誌やテレビでも活躍中。著書に『のばしゆらし体操』(主婦の友社)がある。

スタイルがいいというだけでなく、歩く、座る、手をのばすといった日常の所作がしなやかで優雅な橋本はづきさん。美しく引き締まった体形を維持するポイントは意外にも「体のゆがみを取る」ことだけだという。

「整体とヨガの呼吸法を組み合わせれば、しなやかで軸がしっかり締まった体に近づけます」

きっかけは約10年前。運動習慣がありながら約9kg増えた体重を元に戻し、心身ともにより健康な状態に向かわせてくれたのは、接骨院での「体がゆがんだままでは運動しても効果は出ない」の一言。そこで加齢や生活習慣からくる体の不調を整えるための“のばしてゆらす”体操を考案。実践することで現在の体を手に入れた。

「続けるうちに、若々しい姿勢もキープできるようになります」

 まず全身鏡で自分の立ち姿を確認。注目点は首、肩・胸など6カ所。加齢やスマホなどを使う生活習慣から背中が丸くなり、体全体が前傾しがち。内臓機能や代謝も低下傾向に。
背筋は自然なS字を描き、首から膝までまっすぐに。

体操前にゆがみと縮みの程度をチェックして。

骨盤に手を当て、足裏は床から離さずに膝を交互に曲げて骨盤が左右に動くかを確認。頭の位置を変えず骨盤が左右に動かせたらインナーマッスルが使えている証拠。骨盤が動かなかったり、骨盤と一緒に上体がぶれる人は要注意。
両手を上げた時の肩の位置で姿勢のよしあしがわかる。おなかの筋肉を使えていれば肩は下がったままなのに対し、腕につられて肩が上がったり、体が前傾するのは肩の表面の筋肉に頼りすぎている証拠。ふだんの姿勢も悪いのでは。
シンプルなポーズながら正しい姿がとれているか端的に表れる。両脚を揃えてのばし、骨盤から上が床に対して90度で座ることができればOK。上体が前傾したり膝が曲がる場合は柔軟性に問題あり。腰痛にもなりやすい。

“のばしゆらし体操”の魅力は、走ったり筋トレするのは苦手だけど体形も健康も維持したい人が、ライフスタイルや年齢を問わず日常生活に無理なく取り入れられ、続けるうちに効果が期待できること。

ポイントは2つだけ。まず体の各部位をのばして姿勢を整え、インナーマッスルを鍛える。

「肩、腰など縮みやすいところをのばして血流を促し、筋肉の深い部分を鍛えます。関節に負担をかける激しい運動ではないので、高齢の人も安全に取り組めます」

次に、体をゆらすことでゆがみを取り、痩せやすい体を作る。

「体操をする時は腹式呼吸を意識してください。体幹の筋肉が鍛えられ、あちこちのパーツが引き締まります。また、おへその下にある丹田に力を入れると、軸がぶれにくく正しい姿勢を維持できるようになります」

おなか、上体、脚の3カ所合わせて5分間の体操を毎日。2週間後には変化を実感できるだろう。

「スマホ首」の予防・改善は 反らして、のばして、流す。

手元でスマホを操作する前傾姿勢が続くと、頸椎本来の緩やかなカーブが失われて首がまっすぐになる通称「スマホ首」とよばれるストレートネック状態に陥りがち。

予防や症状の軽減に有効なのが首筋のばし。首の細かな筋肉を柔らかくし、血流を促すことで肩凝りなどの不調を改善できる。

首から肩が固まって猫背になり、腰が前にずれる「仙骨座り」は腰痛の原因に。
親指以外の指をそろえて両肩の少し後ろに置き、指圧しながら前側に移動させる。
息を吐きながらひじを下げるのと同時に顔を上にあげ、鎖骨下まで指で押していく。

『クロワッサン』996号より

『クロワッサン』996号より

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