からだ

◯×検定でまず調べてみよう、美肌を支える基礎知識。

  • 撮影・内田紘倫、谷 尚樹(関東さん)、大嶋千尋(植村さん) ヘア&メイク・高松由香 スタイリング・佐野友美 文・黒澤 彩 モデル・樹神

【基礎化粧編】よかれと思って続けてきたスキンケアが間違っていることも!?

乾燥しがちな大人肌の角質層にたっぷり潤いを与え、成分が浸透しやすい状態に整える。古い角質を除去する働きのあるクミナム抽出液配合。デルメッド プレミアム ローション 200ml 医薬部外品 7,000円(三省製薬 TEL:0120-847-447) サテンブラウス2万4000円(プレインピープル/プレインピープル青山 TEL:03-6419-0978)

毎日同じスキンケアをルーティンでしている

×肌の状態は毎日変わります。よく観察を。(植村さん、関東さん)

スキンケアは、お気に入りの定番をずっと使い続けているという人も多いのでは? でも、季節や体調によって肌の状態は違っているもの。
「自分の肌をよく観察しながらお手入れしていると、今日は乾燥しているとか、疲れてくすんでいるといった微妙な違いが分かるはず。私は美容液やクリームなどの組み合わせを、肌状態に応じて3〜4パターン使い分けます。たとえば、胃の調子が悪いときは、さっぱりした食べ物を選びますよね。そんなふうに肌の状態に合わせてスキンケアも変えるべきです」(植村さん)

関東さんも、環境によって変化する肌に、関心を持つことが大切だと話す。
「温度や湿度だけでなく、気圧などにも肌は影響を受けます。美肌作りは自分の肌を知ることが第一歩。万人にとっていい化粧品などというものはないのだから、その時どきの自分に合ったものを、上手に選びましょう」(関東さん)

化粧水はコットンを使わずに手でつけている

◯手は最高のツール。摩擦を避けつつ肌のコンディションも確かめられます。(植村さん)

コットンを使ってパッティングせずに、手で化粧水などの基礎化粧品をつける利点は主に2つある。
「一つは、コットンによる摩擦を避けられること。もちろん、手を使ったとしても摩擦はゼロではないのですが、コットンやパフなどの無用な刺激が避けられます。コットンを使うなら化粧水を含ませてパックする方法がおすすめ。ふきとり用の化粧水を使う人もいると思いますが、その場合も擦りすぎないように、極力、力を抜いてふくようにしましょう」と植村さん。

手でする、もう一つのメリットは、顔に直接触れることで、肌の状態を毎日しっかりと確認できること。化粧水があまり浸透しないときは、いつもより量をたっぷりとつけたり、その後のケアを変えてみるなど、バロメーターにもなるだろう。
「つけ方のコツは、仕上げに手のひらで包むように肌を押さえて浸透させること。乳液やクリームも、手に取ってのばすことで体温に馴染み、じんわりと溶けて肌に浸透しやすくなります。手指は美肌を作るとても優秀なツールなのです」

手が汚れないようにブラシを使う

△パフやブラシを使うなら、衛生面にも注意を。(植村さん)

化粧品をつけるたびに手を洗うのはわずらわしいと感じることも。
「何がよくないかというと、化粧道具です。まず無用な摩擦を避けるという意味でも、ブラシやスポンジなどの道具を多用するのは考えもの。たとえば、電車の中であわてて化粧をしている人の化粧道具は、たいてい汚れていることが多い。これがよくありません」(植村さん)
摩擦による刺激は肌に悪い。何度もそう繰り返してきたが、その上、その道具類が不衛生だったら……。肌にわざわざ雑菌を付着させているようなもの。
「最低限、メイクに使うブラシやパフ、スポンジは清潔であることが大前提です。この頃は、ブラシを使ってスキンケアをする方法も流行していますが、それをするなら、毎日ちゃんとブラシを洗って乾かすことが欠かせません。手が汚れなくて楽かと思えば、むしろ逆。道具を清潔に保って使うには、意外と手間がかかるのです。私はファンデーションも手でのばします」

植物由来の自然派コスメなら肌に優しく安心

△植物は刺激が強く、アレルギーの原因にも。(関東さん)

ナチュラル、オーガニックといった言葉のイメージだけで、肌にいいものだと過信してしまうのは危険だ。
「漆にかぶれたり、スギやヒノキの花粉症の人も多いですよね。漆もスギも、ナチュラルな植物。天然のものが安全なのだとしたら、それでアレルギーが起きるはずがありません。植物は往々にして免疫反応を引き起こす抗原になるものです。ナチュラルだから安心、と過信するのは誤ったイメージです」(関東さん)

肌に合わない自然由来の化粧品などで皮膚炎を起こす人は少なからずいる。関東さんによれば、最近は漆と分子構造が似ているカシューナッツに反応する人も増えているそう。もし原因不明の肌トラブルが生じたら、自分のアレルギーを一度調べてみるといいかもしれない。

界面活性剤や防腐剤の入っていない化粧品だけを選ぶ

×水を腐らせず、化粧品を安定させるためのものです。(関東さん)

そもそも、界面活性剤、防腐剤とはどんなものなのか?
「界面活性剤は、汚れを落とすために必要な成分。また、無添加の水は水でしかないので、化粧品を安定させるためにパラベンなどの防腐剤が用いられます。一概に悪いとは言えません」と関東さん。
今はパラベンフリーの化粧品も出ているが、その代わりに入っていることの多いイソチアゾリノンという防腐剤が肌荒れの原因になるケースがあるという。
「◯◯フリーとうたっている場合は、たいてい代わりの成分が入っています。むやみに無添加をありがたがる風潮は、あまり感心できません。無添加なら、カビやばい菌が繁殖するおそれもあるということです。言葉のイメージに踊らされるのでなく、内容をよく確かめておきましょう」

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