からだ

◯×検定でまず調べてみよう、美肌を支える基礎知識。

  • 撮影・内田紘倫、谷 尚樹(関東さん)、大嶋千尋(植村さん) ヘア&メイク・高松由香 スタイリング・佐野友美 文・黒澤 彩 モデル・樹神

【その他】正しい習慣を身につけて、効率よく美肌を目指す!

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日焼け止めを塗りすぎるとビタミンD不足になる

×日焼け止め効果は約2時間。塗りすぎにはなりません。(関東さん)

骨粗鬆症の予防などにも重要な栄養素、ビタミンDを体内で作るためには、紫外線を浴びる必要があるという。そのことから、日焼け止めによってビタミンD不足になってしまうのでは?との噂も。
「どんなに日焼け止めを塗ったところで効果は2時間ほど。塗りすぎになることもないですし、紫外線を完全にシャットアウトして生活することはできないので、ビタミンD不足にはなりません」(関東さん)

美肌の基本は「遮光」と「保湿」だと関東さん。紫外線対策をして光老化を防げば有効なアンチエイジングになる。ゆえに日焼け止めを塗ることはとても大事で、できれば2時間ごとに塗り直したい。
「こまめに塗り直せないときには、粉おしろいをはたくだけでもいい。光が散乱するので、UVカット効果があります」

お風呂ではナイロンタオルでゴシゴシ体を洗う

×強い摩擦によって肌を傷めてしまいます。(関東さん)

体の皮膚にも、顔と同じようにバリア膜があり、ゴシゴシ擦るとそのバリア膜を壊してしまう。ナイロンタオルのように硬い素材で擦るのは避けたい行為。
「ナイロンタオルで擦ると、繰り返しの強い摩擦によってメラニン色素が沈着し、皮膚が黒ずんでしまう『摩擦黒皮症』になることがあります。黄色人種である日本人のメラノサイトは優秀で、メラニンを量産します。そのおかげで紫外線による細胞核のがん化を防ぐなど、大切な役割を果たしてくれるのですが、一方では、黒皮症(シミ)にもなりやすいということも覚えておきましょう」(関東さん)
日焼けだけでなく、摩擦によっても色素沈着が起きてしまうことに注意しよう。ナイロンタオルほど硬い素材ではなくても、やわらかいタオルやスポンジでも摩擦は起きる。体も顔と同じように、優しく、洗いすぎず、と心得て。

落ちにくいウォータープルーフの化粧品は使わない

△問題は落とし方。擦らずに落とせればOK。(植村さん、関東さん)

“落ちにくさ”がメリットのウォータープルーフコスメは、裏を返せば“落としにくさ”がデメリットでもある。
「使うかどうかは、個人の選択でいいのではないでしょうか。私も、目元がどうしても滲みやすいので、アイラインはウォータープルーフのものを使っています。そのぶん、クレンジングの前にポイントメイク用のリムーバーでしっかり落とします」と植村さん。コットンを薄く裂いて指に巻きつけ、リムーバーをたっぷり含ませ、じわっとなじませてオフする。この方法なら、ほとんど擦らずにしっかり落とせるという。

関東さんは、化粧品そのものが悪いのではなく、落とすときに無理に擦るのがよくない、と指摘。
「目の周りはとくに皮膚が薄いので、気をつけて。メイクを完璧に落とすことと同じくらいに、いかに肌に摩擦を与えないようにするかを考えましょう」

静電気は肌にもダメージを与える

△乾燥肌だからこそダメージを受けやすい。(植村さん)

冬場、気になる静電気。肌が乾燥しているととくに影響を受けやすい。
「静電気は肌への刺激となって、バリア機能を壊してしまう恐れも。乾燥肌の人ほど静電気が起きやすく、静電気によるダメージも感じやすくなります。もし、いつもより静電気が起きやすいとしたら、それは肌の水分が失われているサインかもしれません」と植村さん。
もともとバリア機能が弱くなっている状態の乾燥肌が静電気のダメージを受けると、さらに敏感になってしまうことに。

いちばんの対策は保湿。顔だけではなく全身の保湿をしっかりとすることが肝心。
「保湿は一年中欠かせませんが、これからの季節は特に入念に水分、油分を補って」

美肌にいいコラーゲン食材をせっせと食べる

△摂取したものが即、肌のコラーゲンになるわけではない。(植村さん)

美肌成分の代表ともいえるコラーゲンは、肌の真皮や骨などを構成する大切な成分でたんぱく質の一種。人の体内で作り出しているものだが、食品や飲料で摂取できることから、「食べる(飲む)美容液」などと言われることも。
「食べたり飲んだりしたコラーゲンは、消化吸収されるときにアミノ酸などに分解されるので、即、そのまま肌に届くわけではありません。サプリなら、分解・吸収しやすい低分子のものを選び、美肌に役立つことを期待したいです」(植村さん)
ただ、コラーゲンが肌に必要なものであることは間違いない。植村さんは、コラーゲンの生成を助けるとされるビタミンCを、スキンケアに取り入れているそう。

代表的な美容成分

美容成分と一口に言っても、もともと肌にあるものや植物油が原料のものなどさまざま。
化粧品などにも多く配合されているこれらの基本的な特徴を知っておこう。

セラミド
もともと肌の角層にある脂質の一つで、保湿力を高める成分。肌が持つバリア機能を働かせて、乾燥や外部刺激から守る。

ヒアルロン酸
水分を保持することができる高分子。もともと肌の真皮にあるが、加齢に伴って減少していく。化粧品のほか、飲料や食品も。

コラーゲン
肌、骨、血管などに含まれ、各組織を保つ役割を担っているたんぱく質の一種。多種類のコラーゲンがある。加齢によって減少。

スクワラン
サメ類の肝油から抽出したオイルに水素を添加したもの。植物油から抽出した植物性スクワランもある。刺激のない保湿成分。

グリセリン
古くから多くの化粧品に使われている保湿成分。石油の合成グリセリンもあるが、化粧品に使われるものは、ほぼ植物油が原料。

植村朗子(うえむら・うららこ)●美容コメンテーター。紹介する化粧品は、すべて自身で試したうえで情報を発信。その説得力には定評が。年齢を感じさせない美肌の持ち主。

関東裕美(かんとう・ひろみ)●東邦大学医療センター 大森病院皮膚科 臨床教授。化粧品による皮膚炎など年間200例以上の診療を行う。小社刊『美肌検定の教科書』を監修。

『クロワッサン』986号より

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